テラーノベル
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Sion𓃠
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コメント
3件
世界観が好きすぎるっ
にーこさん、読了しました。 「夜の水族館」という閉鎖空間の不気味さと、**服だけを残して消えるイツキ**の描写、めちゃくちゃ印象的です。特にクリオネが内臓を貪るシーンへの切り替えが生々しくて、背筋が冷えました。あの「シャラン」というガラスのクラゲの音が、警告のメタファーみたいで効いてるなあと。 「水圧の調節」や「生き物の持ち込み禁止」といった設定も、ただの装飾じゃなくて物語の根幹に繋がりそうで、続きが気になります。良いフックでした。
頭がぼんやりする
まるで、ゆっくりと冷たい水の中へ 沈んでいるみたいに
???
???
???
ノゾミ
ノゾミ
気がつくと見たこともないような
でも、なぜか懐かしく感じる パステルカラーの水槽や、光る魚が 沢山泳いでいる
夜の水族館だった
ピッ……ピッ……
シュー…シュー…
ザーザー……
ノイズの混ざった機械音が響く
ピンポンパンポン
『ご来館の皆様に、ご案内いたします。』
『ただいま、当館は水圧の調節を 行っております。』
『館内の水分量が一定の基準を超えますと お帰りの出口が閉鎖されますので ご注意ください。』
『もう一度繰り返します。 ご来館___
ノゾミ
わけがわからなくて 立ちすくんでいると
背後から複数人の声が聞こえてきた
ミサ
ナオミ
ノゾミ
シン
タイチ
イツキ
ノゾミ
ノゾミ
タイチ
ノゾミ
ネオンテトラのような鮮やかな髪色のナオミ
ナオミ
コロンと丸い緑の髪のミサ
ミサ
なぜ彼らがここにいるのか
過去の記憶は思い出せない。
けれど
不思議と恐怖はなくて
ただ
昔からずっと知っているような
安心感があった
シン
シン
タイチ
ミサ
ナオミ
イツキ
ノゾミ
とりあえず皆で出口を探さないと
イツキ
ミサ
シン
ナオミ
ナオミ
イツキ
パステルピンクの 額縁に入ったポスター
そこには奇妙な警告が書かれていた。
【当館は、24時間体制で皆様の 管理を行っております】
【生き物へのお持ち込みによる給餌 は体内のバランスを破壊されるため固く禁じます】
タイチ
ノゾミ
ノゾミ
ナオミ
ナオミ
ナオミに手を引かれ、私達は暗い 通路の先を歩き出す。
ガラスで透明感のあるクラゲのイヤリングが
歩くたびに「シャラン」と音を鳴らす。
ピッ……ピッ……
シャラン……シャラン……
「ピッ……ピッ……」と館内に響く音と合わせて
ノゾミ
そして驚くほどにナオミの 手は暖かった
イツキ
ミサ
案内通りに進むとそこには
壁一面に水槽が広がる幻想的なエリアだった
淡い赤色の光が揺れていて
よく見るとクリオネが沢山いた
ナオミ
シン
イツキ
シン
タイチ
タイチ
ノゾミ
ナオミ
イツキ
イツキ
ノゾミ
イツキ
ノゾミ
イツキ
お腹が空いた…? クリオネをみて?
ノゾミ
イツキ
イツキはパステルカラーのガラスに うっとり顔を近づけて クリオネを見ていた
天使のような形をしたクリオネたちがゆらゆらと泳いでいる
中の赤いものは臓器なのだろうか?
だとしたら少し不気味にも思えるが。
ナオミ
胃月
ナオミ
他の皆は先へ歩いていく
私も再びナオミに手を引っ張られながら前へと進む
けれど、少し胸がざわついて
ふと、後ろを振り返った
ノゾミ
ノゾミ
そこにイツキの姿はなかった
彼女が着ていた服だけが、形を保ったまま、座り込むように残されている
まるで、中身の人間だけが 消えていったような
服の抜け殻
ノゾミ
ナオミ
シン
ノゾミ
服を残したままトイレだなんて
あまりにも不自然すぎる状況であった
ナオミ
ノゾミ
再び歩き始める。
だけど服の抜け殻が少し気になって
もう一度振り返ると
そこには
水槽のなかにいるクリオネ達の頭部が 生々しく真っ二つに裂けていた
なかから触手が激しく突き出し イツキの身にまとったリボンと 全く同じ色の
『内臓のようなもの』
を狂ったように貪り食っていた
カチカチ、とガラスに触手がぶつかる おぞましい音が
静かな館内に響いていた。
ノゾミ
私は固まってしまった
クリオネが内臓のようなものを 食べている
だが、なぜか見入ってしまう。
なぜ?
ノゾミ
ナオミ
ミサ
皆には見えないのか?このクリオネが
ノゾミ
ノゾミ
タイチ
シン
シン
タイチ
ノゾミ
ノゾミ
今のはきっと気の所為
そうだと思いたい
ナオミ
ミサ
タイチ
皆笑顔で頷いている
先程までイツキが着ていた服が目の前 で落ちているのに
水槽の中があんなに悍ましいことになっているのに
だれもそれを『異常』と感知しない
本当は今の出来事は無視ができるほど 普通のことなのだろうか
もしかしたら『異常』なのは私 なのだろうか
ミサ
ミサがカサカサに乾いた唇を 舌で舐める
すると…パステルグリーンの給水器の方へと歩き出す
ミサ
私の耳元で、ガラスのクラゲが 「シャラン」と冷たく鳴った