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誰かが供物に……

俺たちはお互いの顔を見合った

すっかり強張っている

代わりに死んでくれる人を

必死に探していた

秋斗

……。

一弥

……。

雅也

……。

アアアアアアアアアアアア

ドスドスドスドス!!

しかし、悩んでいる時間はない

俺はターゲットを決めた

秋斗

おらっ!!

雅也

なっ!!

雅也先輩に組みついた

もう、やるしかない

雅也

……お、おい!!

雅也

なんで、僕なんだよ!!

秋斗

……うるさい。

秋斗

一弥先輩!!

秋斗

早く、手伝って下さいよ!!

一弥

あ、あ?

秋斗

ほら、早く!!

一弥

……お、おう。

力のない雅也先輩は あっけなく二人の男に取り押さえられた

雅也

ぐあっ!!

秋斗

さぁ、これで供物の用意はできました。

一弥

まぁ、そうだな。

雅也

お前らぁッ!!

雅也

僕が、僕がこの案を出したぁ!!

雅也

解決策を……作ってやったんだよ。

雅也

だったら、僕は助けるべきだぁっ!!

秋斗

……だからこそですよ。

雅也

……は、はぁ!?

秋斗

言い出しっぺは雅也先輩です。

秋斗

人柱を作るなんて物騒な発想、常人には出ませんよ。

秋斗

そんなイカレタ奴を残しておくなんて、危険で仕方がないです。

秋斗

キチガイは、死ぬべきですよ。

雅也

お、おかしい!!

雅也

お前ら、もうおかしいよ!!

雅也先輩は、見苦しく絶叫した

秋斗

一弥先輩も言ってましたよね?

一弥

……何がだ?

秋斗

この世の中に、キチガイなんて奴がいるのは不愉快だって。

秋斗

そんな奴は所詮はクズで、何もかもが邪魔にしかならないんですよ。

秋斗

俺も、そう思っていました。

一弥

はっ。確かにな。

一弥

キチガイ野郎を駆除するなら、まぁ今の事態も仕方ねぇだろ。

一弥

殺人じゃねぇよ。社会貢献だ。

雅也

お前らァァァァァァァッ!!

ァァァァァアアアア

ドスドス

もう、間近に迫っている

はっと思い出したように 雅也先輩は反論をした

雅也

ちょっと待てよ!!

一弥

……あ?

雅也

そもそも、供物がどうとか言い出したのは秋斗じゃないか!?

一弥

……それも、そうだが。

まずい

しかし、ここまできて 雅也先輩が助かる見込みなどもうない

秋斗

一弥先輩、狂人に騙されないでください。

秋斗

俺は供物を捧げれば、と言ったんです。

秋斗

人柱がどうなんて、そんな危険な考えを持っていませんよ。

秋斗

結局、こいつがイカれてるんです。

一弥

……。

雅也

おい、一弥ァ!!

雅也

頼む、こいつがおかしいんだ!!

雅也

きづけぇ!!

一弥

……。

一弥

……………まぁ、大人しく死ねや。

雅也

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

化け物の顔が見えた

満面の笑みだった

アアアアアアアア

雅也

助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

秋斗

犠牲になってください!!

秋斗

雅也先輩!!

絶叫

その様子を見て、ますます女の化け物は喜び狂い いよいよ食事を始めようとした

その時

ドンッ

秋斗

…………え?

俺は後ろから蹴られた

そのまま体勢を崩し、化け物の前に転がる

即座に後ろを振り向いた

一弥

……お前が死ぬんだよ、キチガイ。

秋斗

……て。

秋斗

てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

雅也

一弥!!

背中を蹴ったのは、一弥先輩らしかった

いや、そんな場合ではない

後ろには……

俺は振り返った

秋斗

あ。

鬼の形相をした女の顔が

アアアアアアアア

牙を剥いた

秋斗

うわああぁぁあぁああぁぁぁああ!!

一弥

逃げるぞ!!

雅也

あぁ!!

秋斗

たったすけてぇぇぇぇ!!

皮膚が裂かれる

骨が砕ける音がする

熱と痛みが押し寄せる

絶叫が響く

もう、俺は死ぬんだ

秋斗

……ぐ……ぁ……。

朧げな視界のなか

遠くの廊下が薄明かりに照らされて見えた

窓から二人の男が逃げるのが見える

頼む

置いていかないで

まだ

助かるから

視界は永久に暗転した

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