愛菜
愛菜
智子
智子
智子
智子
愛菜
智子
智子
智子
智子
智子
智子
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
智子
智子
愛菜
愛菜
智子
おばあちゃんは 小さいときからずっとわたしの傍にいた
仕事が忙しいお母さんのかわりに わたしの面倒を全部見てくれた
けれど2年前お母さんが退職して わたしはおばあちゃんから 引き離された
おばあちゃんは優しかった わたしを大切にしてくれた
すべてのものと すべての命を大切にするよう おばあちゃんから教わった
けれど突然おばあちゃんは死んだ
まだ信じられない
おばあちゃんはわたしの 生きる意味そのものだった
愛菜
愛菜
愛菜
間宮
間宮
智子
愛菜
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
葬儀屋さんがそう言うと おばあちゃんの棺が閉じられた
棺はエレベーターに乗せられ 天井のさらに上へと昇っていった
棺が登りきると 葬儀屋はわたしとお母さんに一礼した
間宮
間宮
間宮
智子
愛菜
愛菜
愛菜
智子
智子
智子
愛菜
智子
智子
智子
智子
愛菜
智子
愛菜
愛菜
愛菜
智子
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
智子
智子
智子
智子
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
智子
智子
智子
愛菜
愛菜
愛菜
お母さんのことは 前から信用していない
みんな隠していたけれど わたしは知っていた
お母さんはほかの男と不倫して お父さんと離婚した
おばあちゃんも言わなかったけれど 薄々そうだと感づいていた
金と男 それにしか目がないあの母親と
一緒に暮らす理由はもうない
風葬金というのは嘘で 財産を不当に自分のものにしたがったのだと
わたしは思っていた
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
親愛なる愛菜へ 愛菜がこれを読む頃には わたしは既に死んでいるでしょう
でもわたしは満足しているよ わたしが一生かけて作ったものが ようやく出来上がったから
風葬という葬儀 お金を払って葬儀するのではなく 命と引替えにお金をお渡しする葬儀 身体を風に任せて溶かすこの方法は
きっと生命のすべてをあたたかく 包み込むお葬式として
これからの命の円環を つき動かしていくでしょう
わたしのしたかったことを 愛菜が受け継いでくれたら
とは思いますが 愛菜は愛菜のしたいことを たくさんするんだよ
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
智子さんへ わたしは風葬で死ぬことにしました わたしの残した金で
せいぜい残りの人生を 過ごしてください
わたしを死なせた自分の愚かさを 金を使うたびに認めるといい
智子
智子
智子
智子
間宮
間宮
愛菜
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
間宮
間宮
間宮
そして私を入れた棺は閉じられた ゆっくりとどこかに移動していく
思い残すことは無い
もしかしたら おばあちゃんのところに 行けるかもしれない
……
棺の外から声がする
智子
智子
間宮
間宮
智子
あの女だ
だがもう終わり
さよなら
哀れな人間たち
棺が開く
愛菜
愛菜
愛菜
猫
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
猫
愛菜
愛菜
猫
愛菜
猫
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
愛菜
猫
愛菜
愛菜
愛菜
猫
猫
猫
智子
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
智子
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
間宮
愛菜
愛菜
愛菜
猫
猫
猫
猫
愛菜
愛菜
愛菜
Fin. 最後までお読みくださり ありがとうございました
コメント
5件
昨日、家で飼っていた合鴨が急逝しました。突然のことで実感が湧かないのですが、墓前で手を合わせ「よく生きたね」と声をかけると、愈々「もう居ない」という寂しさが押し寄せてきました。 そのあとなぜかこの物語を書く気が湧き上がり一気に書きました。 これまで書いてきた物語では登場人物がけっこう惨いことになってますが、これからも「命がある」ことにたいする畏敬の念を忘れずに邁進していきたい、と思います。
対象を賢くする人体実験、確かに命の環として組み込まれるとも取れる…(ミスリードは恐らく知らないで生きて行く選択をした孫娘のためのもの?)