夕日が差し込む一階の保健室
ベッドの下でうずくまり 震えている少女がいた
みのり
彼女が気がついた時には このベッドに仰向けになっていた
すぐそばにあった机の上の紙を 手に取り目を通したかと思えば
すぐさまベッドの下へ 潜り込んだのである
みのり
みのり
身を潜めたみのりは 手に取った紙がもう一枚 重なっていたのを知った
それを読んだみのりの身体が 小刻みに震えだしたのは 言うまでもない
みのり
そう
雫の名が刻まれた後だったのだ
それだけではない
みのり
みのり
みのり
みのり
カサッ
みのり
ゴンッ
みのり
突然握っていた紙が音を立て 驚いたみのりはベッドに 頭をぶつけた
みのり
痛む頭を抑えつつ みのりは紙に目をやる
みのり
みのり
一覧に掲載されている敗者が 増えたのだ
みのり
みのりはベッドの下で 何もできなかった自分を悔やんだ
みのり
みのり
みのり
みのり
みのりはようやく ベッドから這い出る
みのり
拳に力を込め気合を入れ、 みのりは行動を開始した
__ガラガラッ
みのり
みのりは小さく息を吐いて 足を進めようとした
コツ、コツ、コツ
みのり
突如、階段のほうから 足音が聞こえてきた
みのり
みのり
みのり
みのりは静かに、それでいて素早く 扉を閉めた
みのり
__コツ、コツ、コツ……
みのり
みのりは扉の前でしゃがみ込み 両手を組んで目を閉じた
みのり
みのり
コツ、コツ、コツ……
みのり
__…………
みのり
足音が 扉の前で止まった
扉が開いて一番に 視界に飛び込むのは みのりである
みのり
みのり
__…………コツ、
__ コツ、コツ、コツ
コツ、コツ、コツ……
みのり
みのり
安心したみのりの身体は へなへなと床へ落ちた
みのり
震える手をぎゅっと握りしめ みのりは扉の前でひとり 笑ってみせた
__ガラガラ……
みのり
先程よりも控えめに、 それでいて力強く扉を開けた
みのり
深呼吸をしてみのりは 階段へと歩き始めた
みのり
ふと、みのりは足を止める
ちょうど階段下、ふたつ並んだ ロッカーのひとつが 開いていたのだ
吸い寄せられるように みのりの足はロッカーへ向かった
みのり
みのり
開きかけの冷たい扉に そっと触れた 瞬間__
__ギィ…………
みのり
小さく鳴ったその音に肩を震わせ みのりはきょろきょろと あたりを見回した
みのり
静かに胸をなでおろし みのりは再度扉に手をかける
__ギ、ギィイ……
みのり
静寂に包まれた廊下に こだまする不気味な音に 顔をしかめ、みのりは パッと手を離した
みのり
ぽつりと呟き みのりは隙間から 中を拝見することにした
みのり
みのり
みのり
そこにあったのは__
みのり
白くて可愛らしい 小さなうさぎのぬいぐるみだった
みのり
ところどころ糸がほつれ 綿が散らばっている
大きな耳は力なく、しかし 折れることはなく立っている
つぶらな瞳は光を 目いっぱいに吸収して 静かに地面を見つめている
首に巻かれ、背中で結ばれた 大きなリボンは 可愛さと寂しさを滲ませている
みのり
みのりの目は ぬいぐるみから離すことが できなくなった
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのりはぬいぐるみを じっと見つめる
みのり
ぬいぐるみは、変わらず 下を向いていた
みのり
みのり
みのり
みのり
そうしてみのりは ぬいぐるみに手を差し出し__
__ガダンッ!
突如聞こえてきた音に 心臓を持っていかれそうになった
ゴンッ、ギィィ……
みのり
慌てて手を引っ込めたため ロッカーの扉にぶつけてしまう
その衝撃で扉は不快な音を 廊下に響かせた
みのり
半ばパニック状態である
?
バキッ、グサッ、__
みのり
次いで聞こえてくる生々しい音に みのりは恐怖を抑えきれなくなる
咄嗟にロッカーの陰へ隠れた
みのり
?
みのり
声の主は、見ずとも みのりには分かってしまった
狂気に満ちた笑い声と 共に聞こえるのは、 聞き覚えのある声の 聞いたこともないような悲鳴
?
?
?
?
みのり
みのりの背筋を ゾワッと虫が走った
みのり
みのり
みのり
みのりの身体は わなわなと震えだす
みのり
みのり
みのり
立ち上がり、みのりは歩き出した
…………はずだった
みのり
みのりの足が、止まった
意思とも感情とも関係なく 止まったのだ
みのり
みのり
焦りだしたみのりの頭が ひとりでにくるりと左を向いた
みのり
ロッカーの中
白くて可愛らしい うさぎのぬいぐるみが
こちらを見ていた
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
みのり
?
みのり
振り向いたみのりの 目前に立っていたのは、
ツインテールの 可愛らしい少女だった
みのり
みのりは腰を抜かし 扉の開いていないロッカーに もたれかかった
ずるずると床に落ちていく みのりを見て、少女は ころっと笑った
ツインテールの少女
にこにこと近づいてくる少女に みのりは震え上がった
みのり
ツインテールの少女
可笑しそうに笑って 少女は更に足を進める
みのり
ツインテールの少女
みのりの背後、鉄の塊が ギィッと音を立てて揺れた
ツインテールの少女
みのり
少女の笑みに気圧され みのりは声を発することは できなかった
__カサッ
みのり
ツインテールの少女
みのりのポケットから 掠れた音がして 少女は2歩、3歩と下がった
ツインテールの少女
みのり
みのり
みのり
ツインテールの少女
みのり
みのり
みのり
ツインテールの少女
みのり
ツインテールの少女
みのり
みのり
みのり
ツインテールの少女
ツインテールの少女
みのり
ツインテールの少女
みのり
みのり
ツインテールの少女
みのり
この鬼は、どこまで 横暴なのだろうか
みのりは、ぎこちない動きで 紙を取り出した
____
かくれんぼ 敗者一覧
·暁山瑞希 ·鳳えむ ·草薙寧々 ·日野森雫 ·望月穂波
·青柳冬弥
____
みのり
みのり
ツインテールの少女
みのり
先程高笑いと共に 聞こえてきた悲鳴に 聞き覚えがあったのだ
みのり
ツインテールの少女
みのり
みのり
ツインテールの少女
みのり
みのり
俯くみのりに 少女は口角を上げた
ツインテールの少女
みのり
ツインテールの少女
みのり
ツインテールの少女
みのり
ツインテールの少女
みのり
みのり
崩れ落ちたみのりへ 少女は笑って足を進めた
みのり
みのり
みのり
ツインテールの少女
ツインテールの少女
みのり
ツインテールの少女
ツインテールの少女
ツインテールの少女
少女は、床に突っ伏している みのりの額に人差し指を当てた
ツインテールの少女
みぃつけた♪
少女の細くて白い指が みのりの額に赤い線を描いた
彼女が目覚めることは もうないだろう
ツインテールの少女
コメント
4件
本当に何故か鬼が咲希ちゃんかと思ってしまった自分を○したい