TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

サキャーダ

はは、ついつい

アルファ

(つい?)

咄嗟に出る言葉は言い慣れている言葉じゃないか

そんな疑問に蓋をする

アルファ

…まあいい

アルファ

イグニスに向かうぞ

エマ

はいなの!

その日の夜

空が暗く染まったあとに、私は先程の疑問をぶり返す

アルファ

ん?

パッと振り返ると、黄色いオーラが目に映る

アルファ

…魔法?

その痕跡を急いで辿る

アルファ

(…ここは?)

そこにはまだ黄色いオーラが煌びやかに輝いていた

アルファ

…なんだ?

そして、乱闘の声が聞こえる

 

いてえんだよ!!!

 

こいついきなり何なんだ、狂ってんじゃねえの!!

サキャーダ

…いきなり?

いつもよりワントーン低いサキャーダの声が耳に響く

アルファ

(私に攻撃をしかけたときも、こんな声はしなかった)

サキャーダ

あんたたちも様子を窺ってたでしょ?

 

はあ?

サキャーダ

すきあらばアルファを殺ろうとしていた

アルファ

(…アルファ?)

サキャーダ

…違う?

 

あの女勇者のことか?

 

そりゃ魔法使いなんて誰でも欲しいだろうし…じゃなくて

 

それがなんだよ、あ!お前も殺りたいとか?

 

仲間になんていれねえぞ

 

そうだぞ〜

サキャーダ

ふざけんのもそれくらいにしろ

何故か不意にゾクっとする

サキャーダ

まあお前らにゃ殺れねえから諦めたんだろうが

サキャーダ

芽は抜いておいた方がいいしな

 

はー?

 

俺らと殺り合うってのか?

 

お前、武器も持ってねーのに勝てると思ってんの?

サキャーダ

こっちのセリフだ

サキャーダ

お前ら猫眷属に勝てると思ってんの?

 

猫、眷属…?

そう言うとサキャーダは黄色いオーラを輝かせ、相手を思いっきり殴る

サキャーダ

知らなかった?俺らのパワー

ニコッと笑うサキャーダの表情は

いつものとは違う、狂った笑顔だった

 

こ、いつ…狂ってる!!

 

おい、逃げるぞ!!

サキャーダ

そうやっていつも様子を窺って逃げてばっかじゃダメでしょ

サキャーダ

ねえ、そう思わない?

そう言って1人の胸ぐらを掴んでユラユラと揺らす

 

ひっ…

サキャーダ

俺はさぁ、優しくないんだ

サキャーダ

…アルファの命を狙う奴を、そう簡単に楽にはさせてあげないよ

アルファ

(何を、言っている?)

コイツは私のことを知っていたのか?

まだ私には忘れていた記憶があったのか?

そうした疑問が次々に脳内を駆け巡る

 

ぐるしっ…お願いだ…殺してくれ…

 

ゔゔ…ゲホッゲホッ

 

助けてぐれえ

吐き気さえ感じられるグロテスクな光景を見て、サキャーダは言う

サキャーダ

ふふ、いい表情だね♡

アルファ

(コイツ、本当に狂ってる…)

味方の私でさえそう思うようなサキャーダの全ては

その内全てを片付けると、振り返る

アルファ

っ!

サキャーダ

…まだ誰か、いるよね?

まともに戦って負けることはない

だけど、知りたくない一面を見てしまった気がして

何事もなくまた過ごしたくて

近寄る影に反応することができなかった

そして落ちていた敵の剣を拾い上げ、勢いよく私の首の真横にやる

サキャーダ

サキャーダ

…ってあれ?

アルファ

や、めろ

一呼吸おいて言う

アルファ

お前はバカか?

この感覚を知っていた

別に誰だなんてわけじゃなくて

ずっとこうして護られていた気がした

アルファ

…?

アルファ

誰か、いる?

そう、ずっとだ

サキャーダ

あーあ

サキャーダ

バレちゃった?

そうしていつも通り笑うサキャーダを見る

アルファ

護る…といえば聞こえはいいが

アルファ

お前、ずっと私をつけていたのか?

サキャーダ

…まあね

サキャーダ

ずーーっと

サキャーダ

ずっと、アルファだけを探し求めてた

アルファ

魔法のことも、初めは知らないふりだったのか?

サキャーダ

まあね

サキャーダ

森で初めて見かけたとき

サキャーダ

俺は、その強さに感動した

サキャーダ

…同時に勿体ないと思った

サキャーダ

彼処じゃ、力を存分に奮えなかったでしょ

アルファ

何だよ、それ

サキャーダ

俺、猫眷属だって言ったでしょ?

サキャーダ

俺は、人々のオーラが見れる

サキャーダ

アルファはマルちゃんとは違う、もっと青い

サキャーダ

そして誰よりも膨大なオーラを持ってる

アルファ

…だから、何だと言うんだ

サキャーダ

ずっと虜だったんだ

サキャーダ

ずっとアルファと一緒に、アルファと話して…それから

サキャーダ

全部全部、夢だった

そう言ってジリジリと距離を近づけると、サキャーダは私を押し倒す

サキャーダ

ねえアルファ

アルファ

…うるさい

サキャーダ

抵抗できないんでしょ?

サキャーダ

アルファ様は魔法使いだけど

サキャーダ

猫眷属の俺には勝れないところもある

アルファ

お前っ…!

アルファ

アルファ

…くそっ

はあ、と息をつきやつを見上げる

アルファ

好きにしろ

魔法使いから女勇者になりました

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

150

コメント

3

ユーザー

いやいや、サキャーダさん怖っ……😱仲間であるアルファさんですら狂ってる、って思うって相当やばい人なのでは……!? ってか、アルファさんをずっと前から知っててずっとアルファさんを護ってた、って……。サキャーダさんって一体何者……🙄🙄

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚