TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)

保健室にて、エリカは菜乃羽に事情を聞いていた。

エリカ

どうして…自殺しようとしていたのかしら。

エリカが問いかけると、菜乃羽はポツリポツリと告げた。

菜乃羽

…クラスメイトが…俺に消えろって言ったんです。
『犯罪者は消えろ』って。
それで…辛くて…
生きる意味を…見いだせなくて……

そんな菜乃羽の話をエリカは黙って話を聞いていたが、話が一段落着くと口を開いた。

エリカ

貴女の事を大事に思ってくれる人のために生きようとは思わなかったのかしら。

菜乃羽は一瞬黙って、少し溜息を吐いて、エリカに伝えた。

菜乃羽

俺の事を大事に思う人なんていないです。
家族はいないし、すうたちは友達がいるし…

菜乃羽の家族は、亡くなっていた。

少し寂しそうに告げる菜乃羽に、エリカはでもね、とでも言うように話した。

エリカ

仮に菜乃羽さんの言う通りだとしましょう。
それでも、私は貴女のこと大事に思ってるわよ。

菜乃羽

それは生徒だから…

先生が生徒を大切に思うのは当然のこと、上辺だけのこと、と思った菜乃羽は反論した。

するとエリカは、少し寂しそうに、悲しそうに、打ち明けた。

エリカ

確かに生徒だからというのもあるかもしれないわ。
でもね、貴女…そっくりなのよ。
私の妹に。
いじめで自殺した妹に…

菜乃羽

え…

想定外の返答に菜乃羽は固まる。

エリカ

人のためを思って行動するんだけど、やり方を間違えてしまう子だった。
それが原因でいじめられていたの。

菜乃羽

妹…いたんですね…

菜乃羽はなんて声を掛けていいか分からずにあやふやな返事をした。

エリカ

ええ…
だから、菜乃羽さんには死んで欲しくないのよ。

そう悲しそうな顔で微笑むエリカはまるで、妹を諭す姉のようだった。

菜乃羽

…さすがに…こんな話聞かされたら死ぬ気も失せました。

菜乃羽は苦笑いして言った。

すると、エリカは安堵した様子で伝えた。

エリカ

なら良かったわ。
そしてひとつ、提案があるんだけど──

すうあ

……

すうあは、悠穂と蒼のことをじっと眺めていた。

すうあ

(何の話をしてるんでしょうか…
1人は暇です……)

すうあがまるで穴があくような鋭い視線で悠穂達を刺していると…

悠穂

(なんか…すごく視線を感じる気がする…)

悠穂は腕を擦りながら蒼の話を聞いていた。

まあとりあえず、僕も協力するから苗穂さんと話してあげて。

悠穂

『う、うん…わか…わかっ……た…』

悠穂はすうあからの鋭い視線の戸惑いから挙動不審になっていた。

じゃあ。

蒼はそんな悠穂には気付かずすうあの元へ向かった。

どうやら蒼は鈍感だったらしい。

苗穂さん。聞いてきたよ。

すうあ

あっ…ありがとうございます…

国語辞典をパタンと閉じてすうあは返事をした。

(国語辞典…?
苗穂さんこんなの読むんだな、意外だ。)

違う違うそうじゃない。

すうあ

で…どうでしたか…?

簡易的に説明すると悠穂達はテスト中の間だけ苗穂さんを避けて、感情を引っ張りだそうとしてたみたいだ。
荒業治療みたいな感じだね。

すうあ

そうなんですね…

すうあは、嫌われた訳じゃなくて良かった、と安堵の様子を見せた。

(ハッ!安堵の様子…!?
気まずさも感じてたようだし、頑張れば恋愛感情とかも持つのでは…?)

こういうところは鋭いのかお前。

なんでさっき悠穂の戸惑いとすうあの視線には気付かなかったんだ。

おっと失礼、ナレーション、取り乱してしまいました。

心の準備が出来たら話してくるといいよ。

すうあ

そう…ですね…
ありがとうございます!

すうあはニコッと笑顔で言った。

(作り笑いじゃない笑顔は割と初めて見たな…)

お前そこドキッとしないのか。

普通の物語ならドキッとして三角関係に陥ってるぞ。

いや、三角関係はもう予定があるから僕が恋愛感情持ったら四角関係になるだろ?
しかも僕はもう恋愛相手が決まってるらしいから…

わかった、わかったから、もうやめろ、ネタバレすんな。

花心

蒼君どうしたの?
三角関係…?四角関係…?

これからの話だよ。

花心

??

お願いだ蒼、戻ってきてくれ。

芽乃愛

皆さん!いよいよ来月は修学旅行ですっ!!

3時間目LHR、芽乃愛はテンションが上がっていた。

美結

そっか〜もうそんな時期か〜。

美結は目をキラキラさせて言った。

かいあ

のんがいないのが残念やけどな。

かいあは菜乃羽の席を見つめながら言う。

芽乃愛

今日は班決めを行います!
3人以上で構成してください!
班長希望の人はメンバー表を受け取りに来てください!

芽乃愛はまるで子供のようにはしゃぎながら説明した。

かいあ

僕班長やるな〜。

かいあは席を立ってメンバー表を貰いに行った。

アスカ

ありがとう!

美結

とりあえず私たち4人かな。

美結は指を折って数えながら言った。

悠穂

『俺も入っていいかな?』

そんな会話に悠穂が入っていく。

アスカ

全然いいよ〜

それにアスカが返事をする。

芽乃愛

あ、ちなみに吹闇さんもどこかの班に入れてあげてくださいね!

忘れてた!とでも言うように芽乃愛は補足した。

美結

それなら私達と悠穂くんとのんちゃんで6人だね。

美結は再び指を折って数えた。

かいあ

貰ってきたで〜

すうあ

ありがとうございます。

かいあ達が班を決めていると、蒼が声を掛けた。

あの...海月さん達の班に入れるかな?

かいあ

入れるで〜。

アスカ

蒼君入る?

うん…入れてもらっていいかな?

少し申し訳無さそうに蒼は言った。

美結

勿論!

それに美結は元気よく返答する。

アスカ

これで7人だね!

かいあ

ん、じゃあ名簿書いて〜

ありがとう。

こうして無事に班が決まったすうあ達であった。

すうあ達が班を決め、どこを回るかなど盛り上がっていると…

春樹

さあ、計画を進めよう。
吹闇と亜學穂には1つ目の復讐は完了してるから…

あはは、と不敵な笑みを浮かべながら春樹は言った。

優希

あ、あの…もう止めた方がいいんじゃ…

良太

そ、そうだよ…
こんなの続けてたって…

さすがに不安になった取り巻きたちが春樹を宥めようとするも…

春樹

いいや、まだ足りない。
もっともっとあいつらを苦しめてやる…

何をしようか、と笑みを浮かべる春樹だった。

良太

……

はい、活動休止明け

どうもるいのです

ちょっとね、色々終わらなかった

終わったの部屋片付けだけ

多分次は修学旅行編になるかな

うん、それでは

乙るい

恋を、感情を、教えてください~第1幕~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

40

コメント

4

ユーザー

蒼くーん!w 修学旅行ー! 楽しみー!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
;