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2人で1つ

第2話 - 2人で1つ第2話

2021年11月29日

#青春恋愛

#学園

#ドキドキ

テラーノベル

二葉

な…なに言ってるの？

二葉

そんなわけないじゃん！

二葉

はは…隼人くん、面白いこと言うね

隼人

面白くねーよ

隼人

無理矢理誤魔化そうとしてもそうはいかないからな

二葉

…っ

隼人

本当のことを言え

隼人

一花にはそっくりの双子がいるんだろ？

隼人

お前が一花か？

隼人

それとも、もう1人が一花か？

二葉

（どうしよう…！）

二葉

（この様子だと疑ってるんじゃなくて、確信してる…）

二葉

（でも…こんな大事なこと打ち明けられない！）

二葉

と…とにかく私は一花だから！

二葉

一花は1人しかいないから…！

二葉

じゃあ、また明日！

隼人

あっ、逃げるな！

呼び止める隼人くんを無視して、慌ててその場を立ち去った

二葉

緊急事態発生！

二葉

秘密がバレかけてる

一花

は！？

一花

どういうこと！？

二葉

さっき隼人くんに呼び出されて、一花は2人いるだろって

一花

隼人くんが！？

一花

ほとんど接触ないのに、何でバレてんの？

二葉

そんなの私が聞きたいよ！

二葉

日直が一緒だから、その時は話すけど

二葉

それ以外は挨拶くらいしかしないのに…

一花

それは私も同じだって

二葉

お父さん、今家にいるの？

一花

うん

一花

とにかく早めに帰ってもらうようにするから

一花

夜、2人で今後のこと話し合おう

その日の夜

一花

うわ…それはかなりヤバいね

二葉

うん、私たちが双子ってことも確信してるし…

一花

でもさ、あっちには私たちが2人いるっていう証拠はないし

一花

強引にしらを切りとおせばいいんじゃない？

二葉

それで上手くいくかな…

一花

とにかく彼とは極力2人きりにならないようにして…

ピコン

二葉

あっ、隼人くんだ！

一花

何て書いてある？

隼人

明日、もう一度話すから

隼人

放課後、旧校舎3階の空き教室に来い

隼人

もし逃げたら、お前の秘密をバラす

二葉

ちょっと…完全に脅迫なんだけど

一花

いやー…これは行くしかないね

二葉

ねえ、明日は一花が学校に行ってよ

一花

無理だって！

一花

テスト期間だし

二葉

大丈夫！

二葉

一花はやればできる子だから

二葉

一夜漬けで頑張ろう

一花

いやいや、絶対無理だから

一花

とにかく予定通り明日は二葉が学校に行くの

一花

隼人くんに何を言われても誤魔化して

一花

それでも疑うなら、『今度証拠を見せるから』って言えばいいから

二葉

証拠？

一花

戸籍謄本でも取ってきて見せればいいでしょ

一花

私には兄弟姉妹はいないよって

二葉

そっか…

二葉

私たちには1人しかいないっていう証拠があるんだね

一花

そういうこと

二葉

わかった

二葉

何が何でもしらを切りとおすよ

一花

うん、お願いね

翌日・教室

男子生徒1

やべー…さっきのテスト絶対赤点だ

男子生徒1

隼人はどうだった？

隼人

まあ平均点はいくだろ

男子生徒1

お前、見た目のわりに成績良いな

隼人

なんだそれ

男子生徒2

隼人、5問目って答え何にした？

隼人

CとE

男子生徒2

マジかよ！俺間違えた

テストが終わると、隼人くんの傍の男子たちが集まってくる

二葉

（隼人くんって自分からあまり人に絡みに行かないけど）

二葉

（自然と周りに友達が集まってくるよね…）

二葉

（私が思っているよりも怖い人じゃないのかな…？）

二葉

（はぁ…だとしても放課後憂鬱だな…）

放課後・空き教室

ガラッ

二葉

…どうも

隼人

へえ、逃げなかったんだな

隼人

それは、やっぱり秘密があるってことでいいのか？

二葉

そういうわけじゃないよ

二葉

ただ、誤解を解きたかっただけ

隼人

何が誤解だって言いたいんだ？

二葉

どうして疑われてるのか分からないけど

二葉

私は1人しかいないの

二葉

双子の姉妹もいない

二葉

一花という存在は私だけだから

隼人

なるほど

隼人

しらを切るつもりってことか

二葉

…っ

二葉

と…とにかく、でたらめなこと言わないで！

二葉

そもそも私が2人いるっていう証拠はあるの？

隼人

ないけど

隼人

でも、見てれば2人いるってわかる

隼人

似てるけど、顔がちょっと違う

二葉

それは…メイクの違いでしょ

隼人

あと雰囲気も違う

二葉

雰囲気って…

二葉

そんな曖昧な答えじゃ証拠にならないから

二葉

もう、この話は終わり

二葉

私、帰るね

隼人

待てよ

グイッ

二葉

ちょっと…手首掴まないでよ

二葉

痛い…

隼人

お前が本当のこと言わないなら、こっちにだって考えがある

二葉

え…

ドンッ！

二葉

！？

隼人

確か一花って、柔道で黒帯だったよな？

隼人

それだけの実力者なら、俺を投げることも出来るだろ

二葉

…っ

二葉

（確かに一花なら強いから、できるかもしれない）

二葉

（でも、私にはそんな力はない…）

隼人

さあ、早く俺を倒してみろよ

二葉

（どうしよう…！？）

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