テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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罪と罰の花嫁

第12話 - 第12話

148

2024年03月27日

#文スト

#中島敦(文豪ストレイドッグス)

#敦愛され

#フョードル・ドストエフスキー(文豪ストレイドッグス)

#ドス敦

緑川羊右

フョードル・ドストエフスキー

……いきなり、なぜそんなことを……

中島敦

だって、フェージャは僕のこと

中島敦

好きだけど好きじゃないでしょ

中島敦

わかるよ。だって、フェージャのことが本当に好きなんだもん

中島敦

遠慮、してるんだろうなって、よく見てたから

敦の目は寂しそうだった。

まるで心の中をすべて見透かされたような気分で、少しだけ目を、そらす。

中島敦

フェージャがどんなことを思っているのかなんて、

中島敦

僕はわからないけど

中島敦

フェージャが苦しいって思うなら、僕はわかっていたい。

中島敦

だから、フェージャ……

敦の顔が徐に近づく。

そして、ふにっと敦からキスを交わした。

そして、潤んだ瞳でドストエフスキーを見つめる。

中島敦

僕に、あなたの名前を……

顔をりんごのように真っ赤に染め上げた敦は、ふるふると唇をふるわせ、

中島敦

くれ、ませんか……？

その言葉を聞いた途端、

自分でも驚くほどの熱が体の底からわきあがる感覚がした。

体をプルプルふるわせ、熱く染め上げる。

その感覚が“嬉しい”と気づくのに、

さほど時間はかからなかった。

フョードル・ドストエフスキー

……アツシ

フョードル・ドストエフスキー

本当に、いいんですか……？

フョードル・ドストエフスキー

僕の、伴侶に、なってくれるんですか……？

敦は嬉しそうに破顔し、

中島敦

あなた以外と結婚している未来なんて、

中島敦

考えられないんです

とドストエフスキーの手を握った。

フョードル・ドストエフスキー

……後悔は、しませんか？

中島敦

後悔なんて、しません。

中島敦

あなたのそばにいられるなら

優しく握られたその左手を手に取って、

ゆっくり、薬指にキスを落とす。

フョードル・ドストエフスキー

アツシ

中島敦

はい

フョードル・ドストエフスキー

今日から、アツシ・ドストエフスキーとして、

フョードル・ドストエフスキー

そばにいてください

敦は満足げに、

中島敦

喜んで

と、ドストエフスキーを抱きしめた。

フョードル・ドストエフスキー

……指輪、買いにいきましょうか

中島敦

え、本当に買ってくれるんですか？

フョードル・ドストエフスキー

アツシが言い出したのに……

中島敦

いや、それは……フェージャに本気だって、伝えたくて……

ドストエフスキーは大きなため息を吐いた。

フョードル・ドストエフスキー

本当、とんでもない人を伴侶にしましたよ

中島敦

な、その言い方何……

フョードル・ドストエフスキー

とんでもなく、愛しい人、をね

少しキザっぽいことを口走ってしまって、

慌てて口元をおさえる。

だけど、腕の中にいる敦が嬉しそうに、

恥ずかしそうに顔を真っ赤に染め上げるものだから、

つい、笑みがこぼれた。

フョードル・ドストエフスキー

あ、ちなみに、僕結婚します

ニコライ・ゴーゴリ

え

シグマ

え

ドストエフスキー、ゴーゴリ、シグマの三人での会議。

そんなことをドストエフスキーが言うものだから、

二人は半ば放心状態だった。

フョードル・ドストエフスキー

なんですか、その顔……

シグマ

あ、あれ……？　け、計画は……

シグマ

探偵社を崩す計画は……？

シグマ

二段階まで行ったはずじゃ……？

ニコライ・ゴーゴリ

……まあ、でも、そんな予感はなんとなくしてたよ〜！

シグマ

え、え？　ニコライ？

ニコライ・ゴーゴリ

だってぇ、二人の互いを見つめる熱い眼差し……！

ニコライ・ゴーゴリ

これは普通じゃなぁい！　そう思ったしね〜

ゴーゴリはそう言うと

椅子から立ち上がって、

ドストエフスキーの腕をつかんだ。

フョードル・ドストエフスキー

なんです？

ニコライ・ゴーゴリ

ドスくん……私はね、君が一度死んだ時、

ニコライ・ゴーゴリ

とても後悔したんだ。

ニコライ・ゴーゴリ

私にとって、君は親友。

ニコライ・ゴーゴリ

君が私をどう思っているのかはわからないけれど、

ニコライ・ゴーゴリ

大切な親友なんだ。

ニコライ・ゴーゴリ

だから、そんな親友が幸せになる道を、

ニコライ・ゴーゴリ

きっと親友である私が遮るわけにはいかない！

ニコライ・ゴーゴリ

だから、全力で協力しよう！

ニコライ・ゴーゴリ

……そもそも、この計画も君がやろうと言ったからやっただけで、

ニコライ・ゴーゴリ

私が君に求めるものがあって、とかじゃなかったんだ。

ゴーゴリははにかんで笑った。

シグマ

……私も、お前に付き合ったのは、利害でもなんでもない。

シグマ

一応、生みの親だ。

シグマ

賛成は、するさ……

フョードル・ドストエフスキー

お二人とも……

シグマ

だけど……

シグマ

私を天空カジノから落としたことは、まだ恨んでるんだからな！

ニコライ・ゴーゴリ

え！　じゃあ、それを助けた私のことは慕ってくれてる？！

シグマ

慕うか、莫迦！

ニコライ・ゴーゴリ

ええー！　慕ってよ〜

シグマ

くっつくな、暑苦しい！

フョードル・ドストエフスキー

ふふ

つい、笑いが込み上げてしまった。

くつくつと笑っていると、二人はふっと笑い、

シグマ

それで？　あの薬は捨てちゃってもいい？

フョードル・ドストエフスキー

ええ、もちろん

フョードル・ドストエフスキー

もう、必要ありませんから

ニコライ・ゴーゴリ

虎用の惚れ薬、探すの大変だったんだからね！

そう額に手を当て、大変だったというそぶりを見せるゴーゴリに

フョードル・ドストエフスキー

ありがとうございます、ニコライさん

と、ねぎらいの言葉をかけてみた。

すると、ゴーゴリの顔はみるみるうちに赤くなって、

シグマの後ろに隠れた。

シグマ

はあ？！　なんで私に……

シグマ

って、お前、もしかして照れてんのか……？

わかりやすく肩がビクッと揺れる。

そんなゴーゴリを見て、シグマは怪しくニヤリと笑った。

そして、その様子をドストエフスキーは静かに見ていた。

敦が指輪の代わりだと、薬指に巻いてくれた

白色のリボンをそっと撫でながら。

罪と罰の花嫁

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7件

やだ敦くん白色のリボンだなんて…♡ 自分カラーを考えたのね！！素敵だわ…でも多分ここでおわんねぇよな… 多分探偵社が助けに来るよなどうなるんだぁああ！！！！

お似合いさん！絶対に幸せにしてやれよ~ドス君！！

緑川羊右

プロフィール

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