主。
主。
主。
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主。
主。
ここから本編入ります!! いちおワンク↓↓ 今回のメインカプ:atmz (アンドロイドの短編軸、Atくんの好きな人は最初Mzくんではありません) 付き合っているakprも出てきますっ!! こちらはnmmn作品となっております。 ご本人方とは一切関係がありません。無断転載・拡散はお控えください。 地雷さん・作品を読んでいて苦手だと思った方はブラウザバック推奨
以上が大丈夫な方のみの閲覧をお願いしますっ!!
主。
Mz、Mzと俺は自作のアンドロイドの名前を呼ぶ
At
At
At
彼のブレインが正しく俺の言葉を命令コードに 置き換えていくのを見ながら、俺は試運転を続ける
俺が組んだプログラムで彼のブレインが“自分は頭を撫でられている”と 認識する様子を見ながら、このアンドロイドに夢を見せるというプログラムは おおかた成功であるだろうと俺は試運転の結果を記録した
アンドロイドの動作に関するちょっとの違和感にも気づき、 その全てを後で見返せるように研究ノートに記す俺の鉛筆が、 サラサラと紙と擦れる音だけが部屋に響く
At
At
この音声記録は俺がいなくなったあとにも使えるかもしれないと 頭の片隅で考えながら、俺はふっと諦めたような笑みをこぼす
“天才”である俺は、幸せだったのかな。
俺は昔から知能がずば抜けていて、 小学校に上がるころには既に簡単な方程式くらいなら解けたし、 語彙力も同年代の子供と比べたら圧倒的に高かった
自分で書いた作文を先生に提出したら、 親が書いたものだと勘違いされて怒られたことも一回や二回じゃない
最終的に親まで連絡が行ったものの 俺が自分で書いた作文なのであるから親はもちろん何も知らず、 先生に大層驚かれたのはいい思い出だ
父親が高校教師だったので彼の部屋にある数学の教科書を眺めて 時間を潰すのが幼稚園に上がる前からの趣味だったのだが、 母親は最初俺が挿絵を見ているんだと思ったらしい
お絵描きをしているのだろうと思って俺の手元の画用紙を覗き込んだら クレヨンでインテグラルが書いてあって腰を抜かしたそうだ
その話を母から聞いた父親は豪快に笑い、俺のことを 賢い子だと言って褒めてくれたが、インテグラルはまだ早すぎるから こっちを先に勉強しなさいと小学校の教科書をくれた
その日から俺は暇がある時は小学校の算数の教科書を読み、 例題や練習問題を解いて遊んでいた
四六時中それをやっているものだから、 小学校入学時点で簡単な方程式が解けたのだ
俺がインテグラルを書いたことが発覚した数日後に しかるべき施設で受診して検査をしてもらったら、 俺は異常なIQ値を叩き出した
元々俺はあまり話す方ではないので気がつくのが遅れたのだが、 俺はいわゆるギフテッドというやつだった
生まれつき他人より非常に優れた知能を持って生まれた 俗にいう“天才”という存在
人より頭が良くて勉強ができるんだから いいじゃないかと言われてしまいそうだが、 俺は自分が“天才”であることを喜んだ日など1日もなかった
小学校の友達
小学校の友達
小学校の友達
At
天才とバカは紙一重、とはまさにこのことで、 知識はあってもそれゆえに周りと歩幅を合わせることができなかった
At
At
At
その場の空気が静まり返ってしまったのは言うまでもない
小学校の友達
小学校の友達
小学校の友達
At
同年代の友人たちが話す空想論が理解できない上に 場の空気を壊してしまう俺に関わろうとする人はほとんどいなくなり、 俺は少しずつ孤立していった
そして、歳を重ねて大人に近づくにつれて、 周囲の人々が俺に言う“天才”という言葉に “周りの人と合わせられないバカ”と言う皮肉が混ざるようになった
周囲に合わせたくてもできないんだよ、 『普通にしてくれ』だなんて無理を言わないで
泣きながらそう訴えるわけにもいかなくて、 いつしか俺はギフテッドとして生まれた自分を嫌うようになった
普通の人間として生まれることができれば どんなに良かっただろう
ギフテッドという言葉は、英語でgiftedと書く
giftは『贈り物』という意味の名詞として有名であるが 『特別に贈る』という意味の動詞として扱われることもあって、 edをつけると形容詞化された過去分詞形、という扱いになる
つまり、giftedというのは 『与えられた人』だとか『特別に贈られた人』という意味である
贈られた?与えられた?何を?
知能を贈られたとでも言うつもりなのであろうか
ふざけるな、俺はこの『贈り物』を嬉しいと思ったことなど一度もない
Gift、と言う言葉は英語では『贈り物』と訳されるが、 ドイツ語だと『毒』と言う意味になるらしい
俺は、そっちの意味の方が納得できた
高すぎる知能という名のGiftは、 優れた贈り物という皮をかぶっておきながら 遅効性で慢性の毒のように俺を苦しめた
俺にマトモな友人ができたのは、中学に上がってからだった
その友人たちが、AkとPrである
Ak
Pr
Ak
Pr
Ak
Pr
At
Akはギフテッドとまではいかないもののそれなりに知能が高くて、 俺の話を楽しそうに聞いて興味深い質問を返してくれた
Prは数学が大の得意で、 俺とAkのハイレベルな会話にもついてこれていたし、 時に斬新な視点で俺の視野を広げてくれる
数少ない俺の話を楽しんでくれる人で、 俺をPrやその他の友人と繋げてくれたAkに 俺が淡い思いを寄せるようになるのはもはや必然であった
At
でも、現実はそううまくはいかないことだって、 “天才”である俺にはわかりきっていた
ある日の放課後の教室で、 俺の初恋は俺が想定した通りの形で壊れてしまった
その日は俺が日直で学級日誌を職員室にいる担任に提出しに行っていて、 いつも一緒に帰ってくれるAkとPrは教室で俺を待っていた
日誌を提出し終えた俺が教室に戻り、 ドアに手をかけて中に入ろうとした瞬間、 聞き覚えしかない2人の話し声が聞こえてくる
Pr
Pr
Ak
At
話の内容を聞く前からざわざわと嫌な予感がしていて、 ドアを開けようとした俺の体は勝手に固まってしまう
俺は“天才”だ、だからわかってた、わかってたのだ
Pr
At
Ak
Ak
Pr
Ak
Pr
本当は俺とて薄々勘づいていたのだ、 AkとPrはもしかしたらそういう関係なんじゃないかって
でも、俺はAkのことが好きだから、信じたくなかった
事実と向き合うのを恐れて、自分の心を守るために逃げた
At
俺だってただの自己中な人間ではない
もしAkとPrがこのことを報告してきたら、 笑顔で祝福して2人を見守ろうと思ってた
At
しかし、俺は自分が思うよりもずっとずっと嫉妬深くて、 このままあの2人のそばにいたらPrに嫌な態度をとってしまう気がしたのだ
あふれそうになる涙を堪えながら、2人の話が終わったらしいので 俺は笑って教室の扉を開けて中に入る
At
Pr
Ak
Pr
Ak
At
こいつらは本当にいいやつで、俺の大事な友達だ
だから、彼らがやっとのことで結んだ深い関係を壊したくなかったし、 せっかく俺に良くしてくれる彼らとの関係を綺麗なまま終わらせたかった
At
先に昇降口に降りていったPrには聞こえないように、 俺は大好きな初恋の彼に声をかける
Ak
キラキラ輝いている彼の笑顔が眩しくて愛しくて苦しくて、 俺はいつも通りの態度を貫くので精一杯だった
At
Ak
Ak
At
この日の学生生活最後の帰り道、 俺はAkとPrに『また明日』も『さようなら』も言わないで ただにこりと微笑んで手を振っただけだった
彼らが俺の普段との違いに気がついたかはわからないが、 俺はその日以降学校に行くことをしなくなった
これ以上AkとPrのそばにいたら彼らとの関係を壊してしまいそうだったし、 AkもPrも傷つけないでただ静かに彼らの元から離れたかったから
当時の俺は天才だったけどやっぱりバカで、 それが一番彼らを傷つけてしまったことに気が付かなかったけど。
Atママ
Atママ
At
At
Atママ
At
AkとPrは俺が思っていた以上に俺のことを大切にしてくれていたようで、 俺が学校に行かなくなってから何回も様子を確認しに来てくれていた
彼らが来てくれたと母親から聞くたびに嬉しくてしょうがなくて あいつらを大事にしたいという気持ちがあふれたけど
どんどん膨らんでいく“大切”の気持ちに呼応するように もし顔を合わせてしまったら誰よりも大切な彼らを傷つけてしまうという かすかな予感や怯えもどんどん大きくなって
俺は、誰もいない部屋でただ1人ボロボロと泣いていた
今思えば、なんとも滑稽なことだろうか
At
自分の部屋という狭い世界に閉じこもっている間は Akがくれるような興味深い質問もPrがくれるような新しい視点もなくて、 その時の生活を言葉で言い表すのなら『退屈』の一言に尽きるだろう
毎日コンピューターに向かって自分で思いついた数式を入力して グラフをデジタルで書いてみたり、 父親が買ってくれた高校数学の応用問題を解いたり
そんな毎日を送っていたが、父親が買ってくれた問題集を解き終えて 数式も思いつかなくなってきた頃、 俺が適当にネットサーフィンをしていると興味深い記事を見つけた
At
アンドロイドの話は聞いたことがある、 確か人間じゃないのに人間とそっくりな見た目と動き、知能を持つ 人工知能を持っているロボットのことだっただろうか
そこに書いてある記事は、どこかの人間が すっかり人間界に浸透したアンドロイドと結婚したという記事だった
At
At
でも、裏を返せばアンドロイドという存在は 人間が恋愛感情を抱いてしまうほど人間に酷似しているということだ
人間じゃないのに人間を愛し、人間に愛されるというその存在に、 どうしようもなく知的好奇心が刺激された
At
At
普通の人が言えば何を言っているんだと笑い飛ばされるだろうし どう考えても不可能だったが、あいにく俺は天才だった
その気になれば新しい知識を覚えることなど造作もないし、 アンドロイドの制作費用さえあれば それを自力で制作することも不可能ではない
今まで数学や物理などの勉強にしか興味がなかった俺が 新しいものに興味を持ったと知って、両親は喜んでお金を出してくれた
自分が“天才”であるが故に必要なかった塾の費用や 自分のお小遣いを全部かき集めて、俺はアンドロイドの制作費用にあてた
父親の知り合いのアンドロイド作りに携わっている人に たまに助けてもらいながら、俺はひたすらアンドロイド制作を進めていく
パソコンと向き合ってカタカタとキーボードを打ち、 コードを書いている間はこのプログラムがこう動いてこう作用する、などの 考え事で頭が埋め尽くされて、AkやPrのことも考えずにいられて楽だった
At
月日が流れて俺が高校三年生になった時、 ついに俺はアンドロイドを完成させた
Mz
At
俺はそのアンドロイドにMzという名前をつけ、 ワクワクしながら声をかける
At
Mz
At
At
Mz
動き始めた彼の姿を見ながら俺は違和感のあるところを 父親の知り合いのアドバイスを得ながら調整し、 かなり人間にそっくりなアンドロイドを作ることに成功した
Atママ
Atパパ
Atパパの知り合い
At
俺はMzの頭をなでなでと撫でながら、ニコニコ笑って彼に声をかける
At
Mz
俺の笑顔を見たMzは一瞬固まったが、 しばらくするとにこりと笑って頷いた
At
At
Atママ
Atパパ
Atパパの知り合い
At
Atパパの知り合い
父親の知り合いは俺の手元にある Mzを作ろうとしたきっかけの記事を見て優しい笑顔を浮かべたが、 それ以上は何も言わなかった
At
At
Mz
At
At
俺がにこりと笑ってそう言うとMzは少し頬を染めた後こくんと頷いた
Mz
At
Atパパの知り合い
At
Atパパの知り合い
At
Atパパ
At
Atママ
At
Mz
At
俺の表情を見て俺の感情を理解したらしい彼は、悲しそうな顔を浮かべる
この時の俺はとにかく感情豊かなアンドロイドを作りたくて、 彼のデータベースにはもちろんいろいろな感情が登録されていた
At
Mz
ニコッと笑った彼を見ていると、自分の心がそっと癒されるような気がした
今は亡き祖父が残した静かなカフェに向かう道すがら、 俺は懐かしい人物に出会った
Ak
Pr
At
At
五年間もプログラムに集中していれば恋心も癒えるかもしれないと 期待してはいたのだが、俺はやっぱりAkのことが好きだった
失恋したばかりの頃の激情はなかったけど、Prを見てると胸が苦しくなった
五年の時を経て彼らの絆はより強固なものになったのか、 彼らが放つ雰囲気は夫婦同然である
Mz
At
Ak
Pr
At
Pr
At
Pr
Ak
At
Ak
At
Pr
At
Ak
At
失恋しているとはいえ好きな子に褒めてもらえるのは嬉しくて、 俺はちょっと顔を赤くしながらそうお礼を言ってはにかむ
そんな俺を見たMzが、ちょっとだけイラっとしたような顔をした
Mz
Ak
Pr
At
Ak
Pr
Ak
Ak
At
AkがPrのことを堂々と恋人と言ったことに心臓が嫌な音を立てるが、 それを勘付かれないように繕いながら俺はそう返す
一瞬の俺の表情の乱れを見逃さなかった優秀なアンドロイドは、 さらに不満げな顔を浮かべてAkを睨んだ
Mz
Ak
At
Pr
At
Pr
Mz
Pr
Mz
Ak
Mz
Ak
At
Mz
彼はちょっと顔を赤くしながらうつむいて、 俺と目を合わせてくれなくなってしまった
そんな彼の反応を見たAkとPrが納得したような顔をした
At
Pr
At
Ak
At
At
At
At
俺がうつむいている彼の顔を覗き込むと、 Mzはふいっとそっぽを向いてしまった
At
Pr
Ak
Mz
Mz
At
Mz
At
Mz
Mz
今にも泣き出してしまいそうなMzを見て 俺がどうしたらいいかわからなくなって困っていると、 Prがはあ、とため息をついた
Pr
Ak
Pr
Ak
At
Ak
Pr
Mz
Mz
Ak
Pr
At
At
Mz
At
Mz
Ak
At
Pr
Pr
Ak
Mz
Mz
Ak
その後もしばらくしょーもない会話をして、 俺たちは別れて俺は祖父の残したカフェに向かう
AkやPrと別れる直前まで俺はなんとかMzがAkのこと嫌いじゃなくなるように Akのいいところやかっこいいところを頑張ってプレゼンしたのだが、 その度にMzはAkのことを嫌いになってしまった
At
Mz
Mz
Ak
Pr
主。
主。
主。
主。
主。
それではみなさん、タップお疲れ様でした!!
コメント
7件
すご…裏話最高! 最後が面白くて笑っちゃったw 最後の最後までまぜ太くんにあっきぃくん嫌われてたなw なんか、難しいけど、面白い!
うわぁぁぁ!!これめっちゃ気になってたやつです!!気になりすぎて夜しか眠れなくて...(?) 天才ってアンドロイドが作れたから天才じゃなくて根本的な方から天才ってことなんですね...!! アンドロイド作れちゃうatくんもすごいんですけど、作れる工程を書ける虹椿さんも凄くないですか!? atくん片思いだったんですね...片思い系って見てるとう"ぁ"ぁ"...ってなるんですけど好きなんですよね...
アンドロイドの裏話だ!すごく切なくてでもおもしろかった話だから嬉しい!あっとくんはあっきぃくんが好きだったのね…あっとくん叶わない系椿ちゃんの話でいちばん多くない!?でもだからこそいちばん幸せになってほしいし好きな気持ちが違う人になって幸せになっていくのを見るのが楽しいんよね🥲あっとくん天才ゆえ孤独って言葉が凄く合ってるようなお話だった…それでアンドロイドを作ろうはすごすぎるけどね笑