10月1日、僕がここに来て、ちょうど一年が経つ。
優利
美羽、入っていい?
美羽
いいよ
美羽
君がここに来て、一年も経ったね
優利
え?覚えてたの?
美羽
なんかね、記憶は戻ってないけど
美羽
君のことなら、なんとなく直感で分かるの
優利
そっか、嬉しいな…
美羽
一年前にここに来て、誕生日が一緒で、すごく大切な人だった気がする
美羽
名前は思い出せないけど
優利
僕の名前は…
美羽
待って
美羽
私、自分で君の名前を思い出したいの
優利
わかった…
美羽
どうして君は、私を好きになったの?
優利
僕の気持ちを理解してくれたから、かな…
美羽
そうだったんだね
優利
僕、悪魔病でいつも暴言吐いてたけど、それでも美羽は気持ちを理解して本音を汲み取ってくれた
優利
美羽のおかげで悪魔病も治ったんだ
美羽
そっか、私、天使病だから、悪魔病を治せたんだね…
優利
ねぇ、美羽が手に持ってるのって何?
美羽
星泣き病で出した金平糖だよ
優利
それ、食べてみてもいいかな?
優利
君が僕の悪魔病を治したように
優利
できるか分からないけど、僕も君の星泣き病を治したいんだ
美羽
…!勿論いいよ!
優利
いただきます
甘くて優しい味だけど、少し塩味がして、悲しい感じがする。
金平糖の味は、美羽の感情を表しているようだった。
美羽
優利…
美羽
君の名前は、黒川優利!
優利
良かった…ッ
美羽
私は、いつもお見舞いに来てくれる優利のことを好きになったんだ!
優利
記憶、戻ったんだ…!
美羽
ねぇ優利
優利
どうしたの?
美羽
私達の誕生日、共有スペースでパーティーしない?
美羽
私達が立ち直ったこと、翼や明梨に伝えたい!
優利
良い案だね!
美羽
じゃあ、誕生日、楽しみにしてるね!
優利
僕も!
優利
今日はもう戻るね
優利
ばいばい
美羽
じゃあね







