菜緒
菜緒
ごく普通の家の表札を5回ほど確認している。
菜緒
菜緒
なぜわたしは知らない家に入ろうとしているのか。
それにはワケがある。
菜緒、かおりへ。
パパもこんなことしたくなかったんだけど、
そうするしかなくなってしまったんだ。
ほんとうにごめんね。
賢治より。
菜緒
お母さん
菜緒
お母さん
お父さんがどこか行ったのが5歳の時。
こんな手紙を残して、音信不通になってしまった。
それから、お母さんは働いて、わたしのために頑張ってくれた。
お母さん
わたしの話とかもよく聞いてくれたし、
行事とかも全部きてくれた。
考えてみたら、スーパーお母さんだったなって思う。
でも、無理をし過ぎてしまったのかな。
菜緒
お母さん
菜緒
菜緒
お母さんが、病気で倒れた。
それからはあっという間だった。
お母さんは2ヶ月後には死んでしまった。
早期に治療していれば助かったけど、
我慢していたから、手遅れになってしまったらしい。
それが、先週の事だった。
それから、おばあちゃんなどが色々してくれたんだけど、
菜緒
おばあちゃん
おばあちゃん
わたしはおばあちゃんに面倒をかけたくなかった。
またお母さんの時みたいに無理をさせたくないから。
菜緒
おばあちゃん
おばあちゃん
菜緒
というわけで、今いるのは伯父さんの家の前。
菜緒
菜緒
インターホンのボタンをおそうとした時に。
?
後ろから声をかけられた。
菜緒
?
近くを通ったおばちゃんがこちらをじろりとにらんだ。
菜緒
?
博史おじさん
頭の後ろをかきながら謝る博史おじさん。
小さいころ、あそんでもらった記憶は一応ある。
すこしタレ目で、
カッコつけすぎてもぼさぼさでもない、 ちょうどいい髪の毛は、
爽やかだし、優しいんそうだなって思う。
博史おじさん
大きな買い物袋を持って微笑む。
菜緒
菜緒
博史おじさん
博史おじさん
博史おじさん
博史おじさん
え、惚れる........
菜緒
博史おじさん
菜緒
?
家のドアからバっと男が飛び出してきた。
?
菜緒
菜緒
?
博史おじさん
瑛斗
博史おじさん
瑛斗
も、もう........
瑛斗
ぱっと踵を返して、家の中に戻ってしまった。
........は、はあああああああああ?????
菜緒
菜緒
サイッテーーーーーー!!!!
という言葉も出かけたけど、
とりあえず親が目の前にいるから言わない。
家に戻って行ったということは。 「父さん」ということは。
菜緒
博史おじさん
博史おじさん
ブツブツ呟いていたけど。
?
次に出てきたのは爽やかイケメン。
?
?
にっこりと微笑んで手を差し出してきた。
え、なんかめっちゃキラキラしてるんですけど。
あ、かわいいのか。
全体的に童顔なんだけど、
それより、この目よっ!
めっちゃくりくりしてて、少し茶色ぽい目。
?
優斗
優斗
菜緒
優斗
優斗
博史おじさん
博史おじさん
これからどうなっちゃうの........!
続く。
コメント
24件
面白い展開になりそうですね!😂 続き、めっちゃ気になります!
最高!続きありますか?