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俺の初恋は、幼馴染が取っていった。
夏の中旬、幼馴染の夏輝(ナツキ)と夏祭りに行った。
アイツの浴衣姿が綺麗で、俺は目を疑った。
夏の暑さからなのだろうか。それとも恋なのだろうか。
悩んでいた。
だけど、分かってしまった。夏輝のことが好きって事。
坂上 夏輝
田村 泠
自分が嫌だ。
俺は男だ。夏輝も男だ。
幼馴染だ。
こんなの、おかしい。
神様って奴は、不公平だ。
男が男に恋をするなんて、変な話だ。
坂上 夏輝
田村 泠
坂上 夏輝
田村 泠
本当は期待してしまうかもしれない。
でも、そんな事は無いから。
坂上 夏輝
田村 泠
嘘だ。本当は了承してしまう。
世間は許さなくても、隠せばいい事なのだから。
でも、夏輝は多分この答えを求めているだろう。
お前が幸せになれるなら、俺の気持ちなんてどうでもいいんだよ。
坂上 夏輝
そう言い、夏輝はフッと口元を緩める。
苦しい。抱きしめたい。触りたい。
恋心なんてどうでもいい。いっそ、突き放してくれ。
田村 泠
坂上 夏輝
田村 泠
坂上 夏輝
俺は適当な嘘を付き、座っていた縁側から席を外し、そこから夏輝の家を出る。
俺は走った。
気づけば涙を流していた。
痛い。
叶わない恋なのに。
恋心なんて必要無いのに。
気が付けばお前を求めてしまうのは、何故だ?
走っていた足を止め、呟く。
田村 泠
もういっそ…
田村 泠