コポ…コポコポ…
清野 海月
ねぇ、ここから出して
清野 海月
私を出して…?
ガラス越しに、愛しい君が言う。
???
ごめん
???
俺は、お前を出してやれない
???
お前はきっと、ここにいる方が幸せなんだよ
清野 海月
清野 海月
シアワセ…?
清野 海月
私の“シアワセ”は、私が決めるのに
清野 海月
そんなの、ほかの人たちに言われることじゃないわ
???
…でも
???
そうかもしれないけど、俺は
???
お前を危ない目に遭わせるわけにはいかないんだよ
???
だからここで
???
待っててくれよな
???
???
俺が、君と“同じ”になれるまで
コポコポ…ボコッ
あれから、何年… いや、何十年たっただろう。
あれから彼が私の前に姿を現すことは、 二度となかった。
清野 海月
…寂しいよ
清野 海月
私と同じになって、来てくれるんじゃなかったの…?
清野 海月
…
いくらここで涙しても 水の中じゃ誰も気づかない
誰も私に興味はない。 興味があるのは…
清野 海月
このカラダ…だけ
清野 海月
でも…裕介は違ったのに
150年前
清野 海月
ねぇ、おばあさま?
海月のおばあさま
なんだい、海月
清野 海月
私、ニンゲンに会ってみたい
清野 海月
ねぇ、もっと浅い所まで行っていい?
海月のおばあさま
海月、それはなんどもだめだと言って__
清野 海月
ちょっとだけ!ね?
海月のおばあさま
はぁ…
海月のおばあさま
私の姉はね、そうやって見に行ってニンゲンに捕まったそうだよ
海月のおばあさま
でも、そこで出会った男性と駆け落ちしてね
海月のおばあさま
最後には…喰われて死んでしまったがね
清野 海月
…大丈夫よ!
清野 海月
私強いから、喰われたりなんかしないわ
そう、私達は人魚だ。
人魚の肉は、ニンゲンを 不老不死にしてくれるらしい。
だからニンゲンは、 人魚を見つけると捕えるんだそうだ。
__もしこの時、私が おばあさまの言うことを聞いていたら…
こんな目に遭わなかったのに
清野 海月
はぁ、いっその事逃げてしまおう
清野 海月
30分だけなら、足をはやすことだってできるし
清野 海月
……私を閉じこめてるこのガラスだって、すぐに割ってやるわ
パリーン!
研究員
なんだ?!今の音は…
研究員
ガラスが割れてるじゃないか!
研究員
あっ…人魚がいない!
研究員
…っくそ!
研究員
捕まえろ!!
清野 海月
っはぁ、はあ…
清野 海月
寒っ…
おじさん
ねえお嬢ちゃん
おじさん
お洋服はないのかい?
おじさん
おじさんについておいでよ
清野 海月
…っ
清野 海月
(このおじさん、ニヤニヤして…私の体を見てる…)
清野 海月
(逃げなきゃ!)
清野 海月
(早く海に…日が昇る前に帰らないと…)
清野 海月
(干からびちゃう…!)
タッタッタッ…!
おじさん
あ、待てよ…
清野 海月
うっ…足が元に戻って…
清野 海月
水が足りない…干からびていってる…
清野 海月
もう…だめ…
???
人魚だ
???
君、人魚だろ
清野 海月
っえ
ガブッ
清野 海月
っぁ
清野 海月
ゆぅ、…け
清野 海月
ゆうすけ、くん…
清野 海月
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!
どんどん貪られていくカラダ
それに反して、痛みが増していく
ああ…
清野 海月
やっと……あえるね
清野 海月
ゆうすけくん……………






