テラーノベル
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読み終わりました……。 最初の穏やかな日常が、優しすぎて、温かすぎて── だからこそ最後の壊し方が、心の深いところにズシンと響きました。 特に「保管」という言葉の恐ろしさと、クロノアさんの猫耳の違和感。 このギャップをここまで丁寧に描けるの、本当にすごいです。 次が気になりすぎます……。
注意 本作品は、ntjo組様の二次創作物となっております。ご本人様・その他関係者様とは一切関係ありません。 またこの物語は全てフィクションです。実在の人物や団体とは一切関係ありません。
また本作は、暴力的な描写や身体的な損壊、残虐なシーンを含みます。苦手な方はご注意ください。
ピピピッ ピピピッ
P
P
P
ピッ
P
ガチャ
T
T
P
T
T
T
P
P
T
P
T
ガチャン
P
P
オレはあくびをしながら黄色いパーカーに腕を通す。
そして顔を洗い、手ぐしでてきとうに髪をセットして、オレは寝室を出た。
子供達
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子供達
子供達
P
オレは幼い家族達の頭をわしゃわしゃと撫でる。
ここは、とある軍にある小さな孤児院……
……というよりか、戦争やら病気やらなんやらで身寄りが無くなった子供たちが自然と集まってくるたまり場のような場所だ。
戸籍もない者がほとんどで、そいつらに合わせるためオレ含む全員が互いをニックネームで呼び合っている。
人数は20人前後とそれなりにいて、しかしみな仲良く助け合って生きている。
もう家族みたいなもんだ。オレはそう呼んでる。
オレは見ての通り、この中ではそこそこ大きい方でそこそこみんなには慕われている……と思う。
S
S
P
S
こいつはしにがみ。オレの一個下で、生意気で単純で低身長の女みたいな男。
けっこうドジもやらかすが、けっこうしっかりしたやつだ。
P
S
P
オレは指示された通りにバスケットを手に取り、みんながせっせと準備をしている食卓の上にセットする。
するとその隣に、誰かがオレンジジュースが満杯に入ったピッチャーを片手で軽々しく置いた。
T
P
T
P
オレはそう言ってため息をつく。
トラゾーはオレと同い年なのだが、元々力仕事が得意だったトラゾーはいい働き口を見つけて、オレとは倍も差が出るほどの給料を貰っている。
もちろんトラゾーの努力も給料に十分影響しているのだが。
T
T
T
トラゾーはオレの肩をポンと叩く。
P
T
そんな話をしていたとき、キッチンの方からいい匂いが漂ってきた。
そちらへ振り返ると、できたてのベーコンエッグを運んでくるクロノアさんの姿が見えた。
K
P
K
クロノアさんはそう言いながら食卓に料理を並べる。
彼はオレの一個上で、ここの最年長。
家族一のしっかり者で家族のまとめ役でもあり、まさにオレたちの親のような存在だ。
S
そう言ってやってきたしにがみの周りには、まだ幼い子供達が数人じゃれつきしがみついていた。
T
P
S
子供達
子供達
K
S
何も言い返せなくなったしにがみは悔しさで口をつむぐ。
そんないつも通りの情景から、いつも通りの日常がはじまった。
K
K
いただきまーす!
ここで一つ、君たち読者にこの物語のネタバレをしよう。
この物語では、オレのいつもが全て壊されるのだ。
T
T
ごちそうさまでした!
オレらはそう言って同時に手を合わせる。
この後はみんなそれぞれ、皿洗いや洗濯物など自身の担当する家事をこなす。
どの家事の担当も週替わり制。そのため日によっては家事をしなくていい週もやってくる。
子供達
子供達
子供達
そんなことを言いながらも、みんな担当の仕事はきちんとこなすし、たまに当番でもないのに仕事を手伝ってくれる子もいる。
本当にいい家族だと、我ながら思う。
ちなみに今週のオレは、食べ物の買い物担当。朝昼夜の献立は週ごとに決まっているため、その材料を買ってくる当番だ。
ちなみに献立を考えているのはオレ。量、栄養、金額、その全てを毎週計算しつくして作っている。
在庫管理、これはオレが唯一得意と言えるものだ。
K
T
クロノアさんはスーツ、トラゾーは作業着を着込み玄関へ向かう。
S
しにがみはそんな二人を後ろから励ましていた。
オレら家族の中で、年齢的に働けるのはオレとクロノアさん、トラゾー、そしてしにがみの四人だけ。
クロノアさんは軍直属の研究施設の研究員として、トラゾーは救急メインの軍兵として、しにがみは軍のハッカーとして働いている。
オレは家族達の体調や食料、お金などの管理を全て一任されているため、時間がなく軍の仕事にはついていない。
しかし合間にここから出ずにできる仕事をネットで請け負い、頑張って少しでもお金を稼いでいるのだ。
子供達
K
クロノアさんはそう言って子供達の頭を撫でる。
これはクロノアさんの最年長だからこその癖で、オレらが近くにいると自然と頭を撫でてしまうらしい。
クロノアさんにとって、オレらは猫のように小さく愛らしく見えるのかもしれない。
なんせこのオレでさえも、年下の家族達がそのように見えることが何度もあるのだから。
T
P
トラゾーとクロノアさんを見送り、オレも自身の仕事をこなすため買い物リストに目をやる。
P
オレは身支度を整えてから、二人のあとを追うように外へ出た。
P
P
オレは様々な店の特売チラシを片手に、買い物を順調に進めていく。
P
オレはその場で少し伸びをしてから、片手にチラシ、片手に買い物袋を持って帰路へついた。
P
P
オレは鼻歌まじりに軽い足取りで道を歩む。
しかし近くまでやってきたとき、オレの足は自然と止まった。
P
オレ達の家の前に、大きな一台のトラックと数台の一般車、そして白衣に身を包む十数人の見知らぬ男女が立っていた。
その手には物騒にも拳銃やライフルが握られていて、明らかに怪しい人達だ。
ビビったオレは物陰に隠れ様子を伺う。
よーく耳を澄ましてみれば、怪しい人達の中でも一際偉そうな人達の話し声が聞こえてきた。
団長
副団長
団長
団長
団長
副団長
オレはその会話をきいて、より一層身を縮こませる。
P
オレが困惑していたそのとき、その会話の中に見知った顔が駆け込んでいった。
K
団長
団長
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団長
団長
K
団長
団長
K
団長
副団長
副団長と呼ばれた男性がそう命令を下すと、待機していた人々がクロノアさんを無理やり掴みトラックの中に押しやろうとする。
そして他の人達はオレたちの家へ侵入して行った。
いても立ってもいられなくなったオレは、恐怖を押し抜けクロノアさんの方へ飛び出す。
P
K
クロノアさんが叫んでいるが、時すでに遅し、今ここで止まれるわけがない。
オレは飛び出したはいいものの、ものの数秒で他の怪しい人達に捕まり身動きが取れなくなってしまう。
P
オレは力の限り暴れるが、拘束は外れることも緩むこともない。
でも、きっと大丈夫。オレは捕まったけど、家の中の方はしにがみがなんとかしてくれるはずだ。
しかし、そんな淡い期待もすぐに打ち砕かれる。
家の中から家族達の泣き声が聞こえてきた。
その後数秒もしないうちに、何人かの子供が怪しい人達に連行されはじめた。
S
どうやらしにがみも捕まってしまったようで、抵抗する声が聞こえる。
P
副団長
P
銃を目の前にされてはどうすることもできない。
オレたちは為す術なく、全員トラックの荷台に積み込まれる。
荷台の中には甘い匂いが漂っていて、けれどどこか煙たくて、みんなで苦しみ咳をしながら助けを願った。
しかしそんなものが来るはずもなく。トラックは間もなく出発し、オレらはどこかへ運ばれる。
その間にオレらは甘い匂いのガスの影響で、ひとり残らず深い眠りについてしまった。
目が覚めた。
……いや、覚めたのだろうか。
目は開いているはずなのに、視界は未だ真っ黒のままだ。
辺りを見渡しても、首を回す感覚はあるが何も見つけることができない。
突然、目いっぱいに光が入り込んできた。
思わず目を細める。しかしその狭い視界で、その光源を視認することはできた。
それは電灯だった。
しかしこの電灯は明らかにオレへ向けられていて、まるでオレだけを照らすために設置されたもののよう。
ぼやけた頭でそんなことを考えていたとき、隣から誰かの声が聞こえてきた。
闇医者
団長
闇医者
団長
団長
闇医者
団長
団長
団長
団長
闇医者
団長
そんな会話が、いやでもオレの耳に入ってくる。
そして一人が、どこかからナイフのようなものと注射器を取り出して俺へと向ける。
闇医者
闇医者
闇医者
そう言って一度ナイフと注射器を置き、そして別の注射器を手に取りそれをオレに注入する。
P
しばらくすれば、オレの視界はまどろみまぶたが自然と落ちていく。
闇医者
オレの意識が途切れる直前、そんな言葉が聞こえた気がした。
闇
闇
闇……
……おい……
……ここは、どこだ?
……おい、起きろ……
意識が、まだモウロウとして……
おい!
ああ、オレ、もう死んで……
起きろ!!
P
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意識が完全に覚醒したとき、目の前にはクロノアさんがいた。
しかしその姿は体も服装もボロボロで、顔もやつれている。
そして……なぜか頭に、猫の耳のようなものをつけている。
P
K
P
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S
その声の方を振り返ると、鉄格子の扉をガチャガチャとゆらすしにがみの姿があった。
そこで改めて周りを見てみれば、オレ達のいるこの部屋はコンクリートと鉄格子で囲まれていて、まるで牢屋のような場所だった。
上の方には空気口のようなものを見つけられるが、それ以外は本当に何も見当たらない。
P
オレが困惑して呟いた、そのとき。
奥の方から白衣を着た数人の人達がやってきて、オレらの牢屋の前に止まった。
そこの中心にいるのは、周りから「団長」と呼ばれていた威厳のある男性だ。
団長
彼はしゃがんでオレに視線を合わせると、優しい声色で語り始める。
団長
団長
団長
団長はそう言って、格子の外から微笑みをうかべる。
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団長
団長
団長
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K
団長
団長
団長
団長
団長
S
S
P
オレ達はその言葉の衝撃に、ただ唖然とすることしかできなかった。
そう、オレがあの時、ネタバレをした通り。
この物語では、オレの『いつも』が全て壊されるのだ。