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第5話
玲央が奈々に執着する理由
玲央は、あの冷たく笑う目の奥に、 誰にも見せない過去を隠しています。 彼の“執着”はただの恋ではなく、 ほとんど「命綱」みたいなものだった。
玲央がまだ本名すら名乗れなかった頃
彼は使い捨ての子供だった
誰かの荷物を運び、誰かの命令に従い、 間違えたら殴られる。 そういう世界で「使えるか」「使えないか」 でしか見られずに生きてきた
あの日もそうだった。 手を汚せと命じられ、躊躇ったことで“罰”を受けた。 雪の夜。真っ赤な血がアスファルトに落ちる音。
もうどうでもよくなっていた。
冷たい風が吹きすさぶ中、彼はひとり倒れていた。 意識がぼんやりする中で、誰かの足音が聞こえた。
奈々
あの声。 あの温度。 奈々だった。
何故あんなところにいたのかは、今でも分からない。 けれど、奈々は膝をついて、 震える手で彼の額に手を当てた。
奈々
玲央は、そのとき本能的に思った。
この人だけは、壊れたらいけない。 この人だけは、自分の世界に引きずり込んではいけない。
でも、同時にこうも思った。
玲央
その日からだった。 彼女の居場所を調べた。名前を覚えた。 笑い方を、話し方を、全部焼きつけた。
彼女は「忘れてる」かもしれない。
でも、玲央は忘れない。
玲央
誰かに守られたことがなかった玲央が、 誰かを守りたいと思ったのは、奈々が初めてだった。
そしてその感情は、やがて“恋”を通り越して、 “執着”になった。
だから、蒼太という存在が奈々のそばにいるのを見たとき、 玲央の中に眠っていた「殺意」に近い感情が疼いた。
それでも手を出さないのは、 奈々が“笑っている限り”、 彼は「理性の檻」に閉じ込められるから。
彼の執着は、 「命の恩人」への感謝ではなく── 「唯一、自分を人間に戻した人間」への歪んだ愛情。
どうだったでしょうか?
と言うか聞きたいんですけど
この作品みんなどうやって 見つけてるんですか?
普通に気になるので教えて欲しいです。
次回:玲央からの大胆なキス
お楽しみに
バイバイ