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ひと夏の恋

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ひと夏の恋

1 - ひと夏の恋

♥

121

2020年04月28日

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航汰

暑っついな

陽大

本当な〜

航汰

こういう時は

航汰

クーラーの効いた部屋で

航汰

ぐうたらしてたいよな

陽大

ほんとそれな

航汰

そろそろ帰るか

陽大

だな

陽大

ーーでさ〜

航汰

あっ!

陽大

どした?

航汰

教室に本忘れてきた!

航汰

先帰っててくれ!

陽大

おう!また明日な〜!

航汰

また明日な!

航汰

(忘れ物なんてついてないな...)

ガラガラ

航汰

(ん?誰だあれ)

航汰

(確かあの子は...)

清恋

🎼.•*¨*•.¸¸🎶

航汰

(綺麗な歌声だ...)

彼女の歌声は

儚くて心地の良い響きだった

でも、微かに

静かに震えた声が

彼女の頬を撫でる

透明な雫が

僕の心を奪った

清恋

ーーっ!

航汰

あっ、えっと

清恋

もしかして...見てた...?

航汰

見てたし...聞いて...た

航汰

いや、あの

航汰

誰にも言わないから安心してくれ!

清恋

絶対だよ?

航汰

約束する!

清恋

なら、いいや

聞きたくても

聞けなかった

「なんで泣いてたの」

なんて

聞けるはずがなかった

自分の部屋に戻っても

あの歌が頭に流れてくる

航汰

(確かあの子は清恋だったかな)

航汰

(なんで泣いてたんだ...?)

航汰

(考えても分からないよな...)

航汰

(聞いてみるか...)

航汰

おはよう

陽大

おはよう!

航汰

...おはよう

清恋

...!お、おはよぅ

航汰

...放課後少しいい?

清恋

え、あっ、うん

航汰

...じゃあ放課後

清恋

う、うん

陽大

いや、昨日さ〜ーー

航汰

...あのさ

清恋

う、ん

航汰

なんで...昨日泣いてたの?

清恋

.....。

航汰

.....。

清恋

.....。

航汰

ごめん、忘れてくれ

清恋

ーーる

航汰

え?

清恋

私がもうすぐ死ぬって言ったら

清恋

君は信じる...?

航汰

...え?

清恋

私、3ヶ月後に死ぬの

航汰

本当に...?

清恋

うん

航汰

じゃああの時泣いてたのって...

清恋

死ぬのが怖かったの

清恋

怖くて泣いてたんだ

航汰

そう...だったんだ

清恋

ねぇ、航汰君

航汰

な、何...?

清恋

私と付き合って

航汰

.....え?

航汰

えぇ?!

清恋

私が死ぬまで付き合ってよ

航汰

あ、えっ、き、君は

航汰

君はそれでいいの?!

清恋

私は君が好きなの

清恋

他の誰でもない君が好きなの

航汰

こんな僕で良ければ...

清恋

ありがとう航汰くん

それから僕達は

恋人になり

色々なことをした

一緒に海に行ったり

一緒に山に行ったり

一緒に学校に通ったりした

だけど、それにつれて

彼女の余命が短くなるのを

目の当たりにした

彼女が目の前で倒れたのだ

緊急搬送されて

3日間、目を覚ましていないらしい

清恋

ねぇ、航汰くん

航汰

何?

清恋

手を握って...?

航汰

うん、いいよ

清恋

えへへ、私は幸せだな〜

航汰

どうして?

清恋

だって、好きな人と

清恋

最後の時間を過ごせるんだもん

清恋

これ以上の幸せなんてないよ...

航汰

あはは、嬉しいな

その後も楽しく会話していた

それから2時間後

彼女は息を引き取った

僕は泣いた

涙が溢れてしまった

航汰

う、うわぁぁぁぁぁ...!!

清恋の父

大丈夫かい?

航汰

はい、心配をかけてすいません

清恋の父

いや、いいんだ

清恋の父

娘を幸せにしてくれて

清恋の父

本当にありがとう

清恋の父

君には感謝しかないよ

航汰

僕も幸せでした

航汰

だから、お互い様です

航汰

僕も感謝しかありません

清恋の父

君に悲しい思いを

清恋の父

させるような感じに
なってしまって

清恋の父

本当に申し訳ない

航汰

いいんですよ

航汰

僕は彼女と過ごせて
楽しかったし幸せでした

航汰

彼女と過ごせた時間が

航汰

嬉しかったです

航汰

だから、後悔してませんし

航汰

それにひと夏の恋って
素敵じゃないですか?

清恋の父

そうだね

清恋の父

本当にありがとう

航汰

こちらこそ
ありがとうございます

航汰

🎼.•*¨*•.¸¸🎶

航汰

🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶

航汰

(...清恋、僕を見守っててくれ)

航汰

(君の分まで生きるから)

航汰

(いつか君のところにいく)

航汰

(その時まで)

航汰

(見守っててほしい)

航汰

(.....。)

航汰

(...好きだよ、清恋)

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