テラーノベル
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僕の背中には、かつての光栄の象徴である、白く美しい翼が生えている。でも今、この翼は僕を羽ばたかせるためのものではなく、二人に捕まえられ、弄ばれるための「枷」になっていた。
ポーランド
ナチスが僕の翼の一片を、指先で愛おしそうに、けれど容赦のない強さでなぞる。羽毛が逆立ち、背筋に鋭い痛みが走る。
ナチス
ナチスの冷徹な瞳が、本気で僕の翼を「折る」瞬間を計算している。彼は僕の自由を物理的に奪い、完膚なきまでに自分の管理下に置こうとする。
ソ連
ソ連が笑いながら、僕の翼を力任せに広げた。バキリ、と嫌な音がして、僕の視界が火花を散らす。
ポーランド
ソ連
ソ連は僕の涙を指で掬い、それを自分の唇で舐めとった。彼の愛は、僕を壊すことでしか成立しない。
右から追うナチスの、冷たく合理的な支配。左から追ソ連の、熱く狂った加虐。
僕の翼は、二人の間で激しく引っ張られ、今にも千切れそうだ。白かったはずの羽が、彼らの軍服のボタンに引っかかり、一枚、また一枚と宙に舞う。
ポーランド
心を破られただけじゃ足りないの? 居場所を奪っただけじゃ足りないの?
ナチス
ソ連
二人の手が、僕の翼の付け根に深く食い込む。激痛の向こう側で、僕は自分自身が「国」ではなく、ただの「愛されるための抜け殼」になっていくのを感じていた。
真っ白だった視界が、次第に二人の色に染まっていく。僕はもう、空の飛び方さえも思い出せなくなっていた――。
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