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ガッポイ田中
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「ん……ん……」
あれからずっと熟睡状態にあったヴェルリナはふと目が覚め、起き上がった。
「あら、ヴェルリナちゃん、おはよう。体調の方はどう?苦しくない?」
とエリミアらがやってきて、ヴェルリナに目線を合わせつつ、容態を気にかけてそう質問した、
。
「…………何だか、すっきりしない……深く眠った筈なのに、何だかモヤモヤする……」
「そう、無理しなくて良いのよ。ゆっくり休んで良いの、具体的に何処が調子悪いか言える?精神的な面でも、身体的な異常だったり……」
「…………分かんない」
この施設での初めての朝を迎え、朝食を取るのだが憑依による影響で吐血が起こり、吐血はすぐには治らず、思うように食事を摂る事もままならない状態にあった。
「まさか此処まで呪いが深刻化してるとは…‥ほんとに悪魔に呪い殺されてしまうかもしれない」
「それだけは避けたい事態だけど、今回の悪魔の呪いはあまりに凶悪的で悪魔そのものの憑依数だって未知数、完全に祓い切るには、一体どれ程の時間を要する事になるか……数年……いや、それ以上かかる可能性が高い」
「だけど、やるしかない。俺達祓魔師のやるべき事は彼女を救い、この一家の平穏を取り戻す事だ」
「ええ、そうね」
それから時間は経過し、大勢のシスターや祓魔師達が居る中での生活を強いられることになったヴェルリナ。
緊張や不安も当然の事ながらあるが、その一方で暖かな空気感に少し心は救われたようだ。
「何もする事がない、ずっと寝てばかりじゃ退屈すぎる………」
「それなら何か玩具とか絵本を持ってくるわ、此処は悪魔憑き患者用の施設で特にその大半が子供だから、子供が有意義に過ごせるような設備がとことん揃ってるの 」
「…………遊びたい………」
「じゃあ持ってくるから、ちょっと待ってて 」
「うん…………」
その後シスター達が遊び道具を持ってきてくれて、ヴェルリナは容態があまり芳しくない為ベッドに寝たきりの状態で遊ぶ事に。
玩具で遊んだり、絵本を読み聞かせしてもらったり余暇時間を過ごせたものの、彼女は全身が衰弱してしまっているせいで、精神的に落ち込み……それからは一切笑顔を見せなくなった。
「ヴェルリナ……、大丈夫……?」
心身共に擦り減り、笑顔が喪失した娘を心配し、そっと声をかける母親。
「…………うう……おえ………、ううううッ……!!」
彼女は埋まる様に前に倒れ込み、また多量の血を吐き出した。
「身体が悪魔によって益々死滅していってる、人肉を長期間ずっと摂取していた事による副反応なのかもしれないけど、何にしろかなり深刻な事態ね 」
「ああ、正直考えたくもないが、このままだと身体の死滅が進んであらゆる障害が出る可能性があるな」
「現状がこれだもの、その可能性も十分に懸念視すべき事になるのは間違いないわ」
彼女は頻発する吐血によって貧血状態にまなってまた寝込み、寝込んだ状態で遊ぶ事に。その様子を数人がかりで見守り、ヴェルリナに異常が発生次第すぐに対処出来るに付きっきり。ヴェルリナの様子を頻繁に観察しながら施設内に居るシスター達は手際良くやる事をこなし、そしてルナリス達は傍で様子見、そんな事をしていると時間はあっという間に過ぎていく。
「今のところはまだ目立った悪魔憑きの事象は起きてないみたいで、とりあえずは安心ね」
「だけど、いつ現象が起こるか分からない、警戒しておくのも損はない」
此処まで厳重警戒しているのは珍しくそれ程、今回のヴェルリナが苦しめられている悪魔憑きの憑依事例は経験した事のない異例の事態で、悪魔憑きの事象に加えて殺人魔、更にはカニバリズムにまで発展しており、不可解なエネルギー体質によって悪魔を寄せてつけてしまい、全身が悪魔に覆われて、それも異常な悪魔の憑依数……と、正直優秀な祓魔師達でさえも、頭を抱えて悩まされてる異常事態。
「ええ」
それから…‥祓魔師達からの監視下に置かれているからか、悪魔の暴走もなくただひたすらに彼女の身体は死滅の進行が進んでいく。
「大惨事にならないと良いが……そうはいかないだろう、此処まで呪いが深刻化している事を考慮して考えると……」
何度も不安を募らせる。憑依され、呪いをかけられる事によって彼女の心身は現に死滅状態が進行していってるのはま否定しようのない事実で、それを根拠付けるように彼女の身体は崩壊し、瀕死寸前にまで追い込まれている。
子供の身体というのは大人よりも弱く、脆弱だ。
悪魔の呪いは彼女の全身を隅々まで殺していき、何もかも悲しき道へ。それから…‥彼女を付きっきりで見守りながら監視を続ける事約数週間、さらに数ヶ月。
「駄目ね、月日が経つにつれて身体の至る所に異常が出て障害も多く生じている、精神的な症状も激しいし、このままだと…‥」
「ああ、その懸念はもう言葉にしなくとも皆んな周知している、だからこそ彼女が悪魔に全てを殺されてしまう前に 」
「ええ、その通りね」
彼女がこの場所に再度預けられるようになってから約数ヵ月もの月日が流れ、彼女は経過してゆくにつれて『精神障害』、『意識障害』など彼女は随分と衰弱してしまっていた。
「今のところは目立った事象は起きてない、それが唯一の安心材料だけど呪いによって彼女は殺されていってる、吐血の頻度も酷いし、彼女の顔から笑顔が消えてる」
エリミアは彼女が変わり果てても、尚祓魔師として悪魔憑きに苦しみ続けている家族と、ヴェルリナを救う為にずっと寄り添い続けている。
しかし、これまで数多くの悪魔事件や超常現象の研究と解決に尽力し、尚且つ優れた実績を持つ祓魔師達でさえも、お手上げ状態。
悪戦苦闘する程の緊急事態、だからこそ今回の事例は全ての行動や判断をこれまで以上に慎重に行なっていく必要がある。
「ねえ…………ヴェルリナはほんとに元に戻るの?この子は後どれくらい悪魔に苦しめられ続けなきゃいけないの……?」
母親はそう不安な言葉を溢した。
「それは分からない、少なくとも彼女の……今回の悪魔付きの事象ケースを踏まえて考えるとこれまでも何度か言ったように数年単位、そもそも彼女に対する悪魔祓いが完全に完了する正確な見込みの年数は不透明だ」
「じゃあ、これからもずっと……」
「だけど安心して、貴女方一家の皆さんと大切な娘さんの事は例えどれだけの時間がかかるとしても絶対に救うと誓うわ」
「ありがとう、エリミアさん、そして祓魔師の皆様……」
とはいえ、やはりそうは言っても不安は募るばかりだ。それから…………
「悪魔憑きの事象は落ち着いてるけど、いつ悪魔の呪いが彼女を殺そうとするか分からない、引き続き警戒は緩めない方が良さそうね」
「ああ」
警戒を緩めつつ、彼女がなるべくストレスや悲観的な感情に呑まれないように細心の注意を払って監視と付き添いを進める。
「……………はあ、もう私……生きる意味なんてないんだよ、手足だって動かない……身体も脳も全身死んでる……」