世界の化身は悶絶していた……
そう…‘’萌え’’に!!!!!!
「ここの主人公の大胆かつ純粋な一言がヒロインの心を奪ったことから始まり、そしてこの結末ですよ!素晴らしいと思いませんか!?」
「お、おお…、、うん、そうだな…」
「アーサーさん、聞いておりますか!?ちゃんと読んでくださったのですよね…!?」
「ああ、読んだが……そうだなぁ、、…」
今日も毎度のように騒がしいが、今回は珍しく菊の姿がある。
前回に貸したマンガをアーサーに貸した後、菊が返してもらうついでに感想を聞き、それからこの有り様だ。
「懲りないあるねぇ…」
王耀が眺めながら言う。
「楽しそうだなぁー! 僕も菊くんにあの本借りようかなぁー?」
またもや2人を眺めながらイヴァンがそんなことを言う。
「やめとけある」
菊の漫画に対する熱量は体験しないと分からないほど凄まじいあるよ……と、たとえイヴァンが冗談で言ったつもりであっても忠告しておいた。
「お兄さんもマンガはよく読むけれどあそこまでは語れないなぁー…」
「俺もだぞ!菊は凄いなぁー!」
と、フランシスとアルフレッドが揃って口にする。
「しかし日本のマンガは技術が凄まじいとよく耳にする。いつか読んでみ───」
「本当ですか……!!!」
ルートヴィッヒの言葉に覆いかぶさるように早口で迫った。
「是非読んでください!!!!おすすめの本たくさん用意しますので!!!!」
「お、おう…」
「そういえば、急だけどさ〜、」
と、今まで口を開いていなかったフェシリアーノが喋りだす。
「菊って、コスプレ?とかしないの〜?」
菊を除いた全員の脳内にフェシリアーノを讃える声が響いた。
「なんでコスプレなんだ?」
と確かに急にだな、と思ったのかアーサーが問う。
「だってだって、マンガとかゲームとかの愛が強い人ってよくコスプレをしてるんでしょ〜?でも菊がコスプレしてる〜って聞いたことないし…」
と答えた。
すると菊は、
「れ、レイヤー様ですか!?!?私には無理です!!確かに私、マンガは大好きです。しかし、ああいうものはおキレイな方たちのものであって、私のような者がするなんて無礼になってしまいます…!!!」
と言った。
「いいんじゃないかな?コスプレした姿見てみたいなぁー!!」
「い、いや、先程も申し上げましたが──」
「えー?しないのー??」
「…………」
イヴァンの圧にあっさり負けてしまい、黙ってしまった。
また逃れる言い訳を思いついたのか、菊が再び対抗する。
「し、しかし私持っていませんし、コスチュームは値段が張りますし、不可能ではないでしょうか!?」
「それなら問題ないさ!!そのマンガの服を注文しておいたんだぞー!届くのは明日だ!!」
「そ、そうですか…………」
アルフレッドの言葉にうなだれる菊であった。
翌日、無事に届いた服を前に菊は悶々としていた。
「アルフレッドさんは昨日私が話していたマンガの登場人物のものを注文した、とおっしゃってましたけど……これは……その、、……」
「あ、あの、着替えが終わりました、、…」
「お、やっとだな!」
「楽しみある〜!」
「どんな感じなんだろ〜!」
と、口々に発した。
「?菊、こっちに来ないのかい?」
「あ、いや、、…なんと言いますか…」
「ほらほら早く!!」
「え!?、ちょ、ちょっと引っ張らないでください…!」
ビリリリリリ……
「OМG!!!」
菊の素肌が先程よりも露わになった。
「菊、かっわい〜!」
「な、何を吐かしているフェシリアーノ!!!!」
「菊………その…sexyだな」
「何言ってんだよ変態紳士!!!いやもう紳士の欠片もないわ!!!」
「わぁー、菊くん大丈夫ー?」
「菊…大丈夫あるか…?」
各々純粋な(?)感想を言う中、王耀とイヴァンは菊を心配するような言葉を口にする。
「し、しししししししし失礼します!//////」
菊は赤面でその場を退いていった。
「き、菊ーー…」
と、その後を追おうとする変態(紳士)を全員がはたいたのであった。
コメント
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(ΦωΦ)腐腐腐…