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さて御飯を食べて片付けて帰る途中、車の中でスマホの着信音がした。
彩香さんがスマホを取り出し、操作して何やら画面を見ている。
そして。
「悠君、亜里砂さんからお願いが来ている。勉強を教えて貰いたいけれど、明日は大丈夫かって」
「特に用事は無いけれど、何故にこの時期に」
今は、特にテストとか何も無い時期だ。
期末テストも、7月に終わってしまったし。
「B組は宿題が多いから、来年はA組を目指すんだって。クラス分けに使われる学力テストの範囲は1年10月までの内容だから、今までわからなかったところを完璧にしておきたいんだって」
動機は不純だけれど、やることそのものは正しいな。
「美洋も、見習った方がいいのではないですか。夏休みの宿題、相当苦しんでいたと記憶しているのです」
美洋さんがビクッとする。
「あれは、未亜は全然手伝ってくれなかったからです」
「自分の宿題は、自分でやるのが正しいのです」
それは、未亜さんの方が正しい。
たとえA組の宿題量とB組の宿題量に激しい差があったとしても。
「考え方として、それは正しいな」
先輩が頷いた。
「2年以降のクラス分けに使うのは、業者が作成した基礎力調査テストだ。あれは一般の中学校だと10月までに終わる範囲が対象。この学校なら、1年なら9月頃の内容までだ。だからそこを確実にしておくという発想は間違っていない。
ただ、その熱意と努力が、どれだけ続くかだな。
あと、参考までに言っておくと、場所としては、図書館2階にある会議室のうち、小さい部屋を借り切るとやりやすいかな。小さい部屋を借りる人は、そんなにいないから、大体空いている」
なるほど、いいことを聞いた。
「なら、亜里砂さんに返事お願い。いいよって。時間はどうする?」
「図書館が開く9時でいいんじゃない」
「そうだね。それでお願い」
「わかった」
そう彩香さんが言ったところで。
「あと、美洋と私も参加するので、宜しくなのです」
未亜さんから、追加が入る。
「未亜」
「美洋も、基礎固めが必要なのですよ。何なら、日曜1回だけで無く、放課後に続けてやるくらいやった方がいいのです」
未亜さん、厳しい。
「実のところ美洋がB組に入ってしまったのは、私の誤算なのです。ぎりぎりA組で済むだろうと思ったのですが、私の判断ミスだったのです。ですから秋のうちに、特に苦手な数学だけでもきっちり仕上げるのです」