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「ど、どういう事だ、商工会のレモンド。ウレインがついていながら、お前達まで絡んでくるでない」

国王が困惑する中、商工会の面々は皆、落ち着いている。


「我々商工会が開発した最新防衛兵器、そのお相手をしていただきます。魔法弾と実弾に換装し、魔力の制限とゴム弾に威力を落とせば、死者までは出ないはずです。頭部と胸部には必ず、防具を装着していただくのが大前提となりますが」


「貴様ら、また妙なものをこそこそと作っているのか」

「第一王子様。我ら商工会一同、王国と民衆を守るためという志は同じでございますゆえ。我々に出来る最善を尽くしているだけにございます」


「それでは魔王軍を……、いや、何でない。それで、貴様らの玩具相手にどう決着をつける」

この人、今、魔王軍を殺せないだろうがと、小さく言った気がする。

言葉にしていないとしても、もうその顔に書いてある。


「簡単でございます。我等の防衛兵器に一撃を加えた早さと破壊度で競っていただくのです。見てからのお楽しみ……としたい所ですので詳しくはお教え出来ませんが、兵器に対して左右から同時に攻撃していただき、先に攻撃を入れた方の勝ちとします。あぁ、もちろん、戦闘不能になった兵の数も加味しますが、詳しくは当日にお伝えしましょう。その方が公平ですので」


「ふん、それで? 何人まで相手が出来るのだ。小規模では話にならんぞ」

「近距離防衛ラインを割ったという態で、片面のみで最大一万。と言った所でしょうか」


「い! いちまんだと! 貴様いま、近距離防衛ラインに限定したが、それはどこまで届く!」

「ゴム弾ですと、八キロにまでは届きます」

「なん……だと? 貴様ら、その兵器について、模擬戦後に詳しく聞かせてもらうからな」





結局、第一王子とレモンドはしばらく話を続けて、いつの間にか本当の模擬戦に収まることになった。

つまりそれは、第一王子の興味を引いたのではなくて、商工会も等しく標的になったということだろう。

その役を買って出てまで、戦争を回避してくれた彼らの本気を見たように思う。


――ちなみに、模擬戦はどんな風になるかというと。


商工会の作った兵器に、最初に攻撃を届かせた方に大きなポイントを与えると同時に終了。

ゴム弾等に撃たれて戦闘不能になった兵士の数だけ、一定のポイントをマイナスする。

それを、お互いに最大二百人の兵で競い合う。


二百人以下で参加する場合は、足りない人数分のポイントが加算される。

ポイントの数は、模擬戦までに商工会で公正になるように調整しておくということだった。



「魔王さま。あんな余興にまで付き合わなくても……」

魔王城に帰って、シャワーを浴びてさっぱりとした後で、私は不満をぶつけた。

和平を結ぶのだって、こちらの譲歩でしかないというのに。


「遊んでやるのも必要だと思ってな。だが、遊びの中でしつけが出来るというなら、乗ってやるさ」

「フフフッ。しつけ、ですか?」

その意外な言葉に、私は笑った。


と同時に、その絶対的な強さと自信に、体の芯が熱くなった。

――魔王さまの雄姿を、見られるかもしれない。

しかも、無駄な死人を出さずに。


「うん? お前もそういう顔をするんだな」

「え? どんな顔してましたか?」

でも、その答えは、はぐらかされるのだなと分かった。


「期待している顔だった。いつもは不安そうなクセにな」

魔王さまのアヤシイ瞳の輝きは、夜の始まりを告げているのだと知っている。


――そういう期待なんて、してなかったハズなのに。


聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~

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