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紫side
紫「さて、みんな着替えたね?」
俺が縫った服に身を包むみんな。本当に可愛
い。
青「毎年のことだけどさ、寝るだけなのにこん
な服着る必要ある?」
青ちゃんが不思議そうに首を傾げる。
紫「冬眠は大切だからね、ちゃんとした服を着
ないと」
半分は俺の趣味、ということは言わないでおこう。
桃「ほんとにいいの?最初任せちゃって」
心配そうに眉を下げる桃くん。
今年も冬の間は交代で見回りをすることになった。
最初は俺と橙くん。
次に桃くんと青ちゃん。
そして赤くんと黄ちゃん。
1週間ごとに交代だ。
紫「お兄様に任せなさいっ」
桃「最年長は俺だけどな」
すかさず突っ込まれる。
紫「まぁまぁ笑」
紫「…俺たちじゃ不安?」
少しだけ怖くなって、聞いてみる。
桃「いや、1番しっかりしてるのは紫ーくんたちだし。」
桃「経験値は別として、俺は2人に任せるのが
1 番安心するよ」
本当に、心からそう思ってくれているのだろう。
蒼色の瞳に見つめられると、 何もかも見透かされているようで恐ろしい。
でも、優しくて、心地いい。
紫「ありがとう」
橙「ま、最初の1週間は任せとき!」
黄「よろしくお願いします…」
赤「頑張ってねぇ、」
黄ちゃんと赤くんはもう既に眠たそうだ。
紫「じゃ、おやすみ」
全「おやすみなさ〜い」
紫「さて、まずは流氷割りだね」
橙「おっし!気合い入れるで〜!」
紫「ふふっ」
元気に腕を振る橙くん。
毎年、橙くんには助けられている。
冬仕事は危険だ。
流氷の中に飛び込めば、すり潰されて見つからなくなる。
雪は案外固くて、軽く当たるだけならまだしも
屋根から大量の雪が落ちてきた時は焦った。
俺はモース硬度が高くないから、人一倍気をつけなくちゃいけないのに。
橙くんに守られてばかりだ。
紫「……だめだなぁ、俺」
いつものように流氷の上を走る橙くんを見つめながら、そんなことを思う。
「落としちゃえ」
紫「……え?」
突然、声が聞こえてくる。
「手伝ってあげるよ」
「簡単だよ、ちょっと押して落としちゃえば
いい 」
「そうしたら、僕らがすり潰してあげるよ」
「邪魔だよね、いつもわかったような口きい
てさ」
紫「違う。」
そんなこと思ってない。
橙くんは優しくて頼りになって
大好きなひとだ。
「嘘つき」
「本当は羨ましいでしょ?」
「大丈夫、君は何も出来なかったって言えば
いい」
「勝手に落ちたって言えばいいんだよ」
「みんな優しいから、きっと許してくれる」
いいのかな
今は、俺と橙くんしかいない。
橙くんがいなければ
俺は、こんなに苦しまなくていいの?
紫「……ッ!」
気がつくと、橙くんの背中に手を伸ばしかけていた。
おれ、なにしてんの?
大好きな橙くんを、落とそうとしたの?
なんで
紫「……ッ、ポロポロ」
橙「紫ーくんッ?!」
あたふたと心配そうに近づいてくる橙くん。
橙「どうしたん?!どっか割れてしもたん?」
橙「どこ?見せてみ、?」
俺を割らないようにと、俺といる時はいつも手袋を外さない優しい橙くん。
こんなに優しい橙くんを、俺は
紫「ッ、触らないでっ、」
橙「えッ、なん、で」
今、触れられたら、割れてしまいそうなんだ。
君はいつもと同じように手袋をつけていてくれるのに
君の優しさは、何より俺を傷つける。
紫「ッ、ごめん、ポロポロ」
橙side
気がつくと、紫ーくんが辛そうな表情で後ろに立っていた。
声をかけても返事がなく、どこか割れたのかと思えば
「触らないで」と言われてしまった。
橙「俺、なんかしてしもたかなぁ、」
紫ーくんは学校の方向へ走っていった。
こういうとき、どうしていいか分からない。
なんでもそつなくこなす紫ーくんのペアとして、
劣らないためにしっかりしていたつもりだった。
それでも足りない。
紫ーくんの圧倒的なカリスマ性の前では俺のどんな努力も無駄だ。
こういうとき、桃ちゃんだったら上手くやれていたのかもしれない。
赤や青だったら元気づけられたのかもしれない。
黄ちゃんだったら紫ーくんの気持ちをわかってあげられたのかもしれない。
でも、俺にはできない。
出来損ないの俺は、努力で全てを補って来たのだから。
橙「どうしたら、ええんやろ、ッ 」
書き方を変えてみました!
こっちの方が読みやすいかな?
戻した方が良ければコメントで教えてください💦
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