テラーノベル
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「あべちゃーん! 勉強ばっかりしてないで遊ぼうよー!」
楽屋のソファで参考書を読んでいた阿部亮平の視界が、急に高い位置から遮られた。
見上げると、ラウールがニシシと悪戯っぽく笑って立っている。
「ラウール、今はちょっと……わっ!?」
阿部が断ろうとするより早く、ラウールが長い腕を伸ばし、阿部の脇に手を入れて軽々と持ち上げた。
まるで猫かぬいぐるみを持ち上げるような気軽さだ。
「ちょ、ラウ!? 高い! 降ろして!」
「やだ。阿部ちゃん、僕の膝の上ね」
ラウールは自分がソファに座り、阿部を自分の太ももの間にすっぽりと収めた。
190cmのラウールに背後から抱きしめられると、阿部は完全に子供サイズに見えてしまう。
「……ラウール、俺一応最年長組なんだけど……」
「関係ないもーん。阿部ちゃん、サイズ感がちょうどいいんだもん」
ラウールは阿部のお腹の前で手を組み、阿部の肩に顎を乗せた。
「それにさ、阿部ちゃんって頭いいのに、僕の前だとすぐ顔赤くするよね」
「……それは、ラウールが距離近すぎるからでしょ」
「違うよ。阿部ちゃんが可愛いからだよ」
ラウールが阿部の耳元で、甘く囁く。
低くて大人びた声。
普段は「よしよし」と可愛がっているはずの末っ子が、急に「オス」の顔を見せてくる。
このギャップに、阿部はどうしても弱い。
「……阿部ちゃん」
「……なに」
「こっち向いて」
ラウールが阿部の頬を指でツンツンし、振り返らせる。
至近距離で目が合う。
ラウールの瞳は、獲物を狙うようにキラキラと輝いている。
「……勉強もいいけどさ。僕のこと見てくれないと、イタズラしちゃうよ?」
「……もう十分イタズラされてる気がするけど」
「ううん、まだまだ」
ラウールは阿部の唇に、チュッと音を立ててキスをした。
「……っ!? ラウ……ッ!」
「んふふ、真っ赤。……阿部ちゃんの『あざとい』計算、僕には通用しないからね」
ラウールは阿部をさらに強く抱きしめ、首筋に顔を埋めた。
「……全部お見通しだよ。……本当は阿部ちゃんも、こうされたかったんでしょ?」
「……っ、……生意気……」
「素直でよろしい」
頭脳派の阿部も、規格外の末っ子の前では計算が狂いまくる。
巨大な腕の中に閉じ込められ、逃げ場を失った阿部は、観念したようにラウールの腕に自分の手を重ねた。
「末っ子コンビ」のパワーバランスは、いつだって最年少の彼が握っているのだ。
next…なべあべ 1/14
コメント
1件
ラウちゃん成長したね~ あべちゃんも流石にラウちゃんには勝てないかー ラウちゃん色々規格外だもんね 続き楽しみにしてます!