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そんな訳で。
「自転車は原則車道ですが、ここでは歩道走行可の場所は歩道を走ります。道が狭くて車道を走りにくい場所が多いですし、自転車に慣れる事が目的ですから。無理しないで安全第一で行きますよ」
先生に引き続いて、先輩も口を開いた。
「今日はケイデンス70キープとか、ペダルの位置は足の親指伸ばした所の膨らみ辺りとか、煩い事は言わないからな。まったり行こう」
知らない単語が出てきたので、聞いてみる。
「先輩、ケイデンスとは何ですか」
「1分間にペダルを回す回数。70くらいで安定して走れると、なかなか気分いいんだ。テンポが60後半の曲をスマホで流しながら練習すると楽だぞ。ただし自転車道とか、走りやすいところでな」
なるほど。そういう専門用語がある訳か。
そんな訳で、自転車で走り出してから10分程度。
早くも目標地点に到着してしまった。
目標地点とは、ショッピングプラザ葉耶麻ステーション。
まあ、ちょっと観光向けっぽいショッピングセンターだ。
「思った以上に、あの自転車、速かったのです」
「気を抜いても時速20キロ位は出るからな」
「それで、未亜の行きたかったパン屋さんとはどこですの」
「こっちなのです」
出入口から奥へ向かって、わりとすぐのところにそのパン屋のブースがあった。
「本当は5キロくらい走れば、本店があるのです。でも今日は、こっちの店で我慢するのです」
「それで、お勧めは何ですか」
「有名なのはエシレバターを使った食パンなのです。でも私は、カンパーニュとかリュスティック系が好みなのですよ」
確かに美味しそうだ。
ちょっとお値段高めだけれど。
先輩がにやにや笑っている。
「ここのパンと、あとマーラウのプリンは、高等部では罰ゲームとしても有名らしいぞ。美味しいけれど、ほどほど遠くて高いからな。ここはまだいい。マーラウは店自体はここより学校に近いけれど、プリン1個で800円くらいかそれ以上する。確かに美味いけれどな。そんな訳で、恐怖の罰ゲームとして恐れられているらしい」
それは確かに恐ろしい罰ゲームだ。
「そんな罰ゲーム当たったら、奨学生は給食以外の食事抜きですね」
「しかも1個という事は、まず無い。人数分だぞ」
「ウィークディは給食のみになってしまいます」
「まあ、うちの部はやらないけれどな」
頼むから、やらないままでいて欲しい。
奨学生には死活問題だ。