テラーノベル
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放課後になり、私は早々と帰る準備を始める。
『結田りな』の名前と教科の名前しか書いてないはずのノートも教科書も、真っ黒になっている。
やっている事は、中学2年生がやることではない。
・・・これも、歪んだ正義感から来ることなのかな。
少しくらい気持ちになりながら、カバンに私物を入れる。
取られたら困るものは、肌見放さず持っているし、問題はない。
私はそっと立ち上がり、教室の扉に一直線に向かう。
「おおっと、帰られたら困るな」
私と扉の間に割り込み、私が帰れないように扉を塞いだ。
彼は、青木ゆずき。
私の元親友で、いつも元気なムードメーカーで、とっても仲良しだった。
「や〜ん、睨まないでよ。ひめなこわーい!」
彼女は百井ひめな。
私のこの状況を作り出した人物で、クラスのお姫様。・・・私は、友達と思っていたけど、彼女はそう思っていなかったみたい。
「・・・目障りだ」
それなら、もう放っておいて欲しいけど・・・
私を目の敵にしてギロリと睨む彼は、相崎はるが。
私の元恋人で、昔は優しかったけど、その対象から私は外れてしまったみたいで、今はとても冷たい。
反論がしたいけど、私の言葉には誰も耳を貸さない。
だから、これは小さな抵抗。泣いているところは絶対に見せないし、認めもしない。
「お前、本当なめてるよな。」
シャツを掴まれ、壁に追い詰められる。
そのとき、私の首元できらりと光ったネックレスが、青木くんに見つかってしまった。
「なんだよ、これ」
そう言って、ネックレスに触ろうとする青木くんの手をはねのける。
「触らないでッッ」
私はその時、初めて声を荒げた。
私が怒ったことに驚いている三人を無視して教室から出ていく。
「おい、待てよ!」
私の手首を痛いくらい強く、相崎くんに掴まれた。
「はなして、相崎くん」
「ッツ」
私が冷たくそう伝えると、一瞬悲しそうな目をして、相崎くんは私の手を放した。
「・・・それ、誰からもらったんだ」
「相崎君には、関係ない」
覚えてない、だけどずっと持っていた。
肌身離さず、ずっと。
これを持っていると、あの男の子とつながっている気がして。
「ッッそんなの」
相崎くんは泣きそうな目をしながら、私のネックレスを引っ張った。
「いら、ないだろッ」
次の瞬間、『プツンッ』という音と共に、ネックレスは宙を舞った。
私は気づいたら、相崎くんの頬を叩き、目は濡れていた。
「最低ッッ」
落ちたネックレスを拾い、カバンを抱えて駆け出した。
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