遥

湯船に浸かる前に全部洗う。

それから湯船に浸かるのです。

これは毎日のルーティンなのです。きっと共感してくれる人、いるはず。

全て洗い終えたら、つま先から湯船に浸かる。

今日も湯船が気持ちいい。

特に外に出て疲れた日なんかは最高。

なんだか今日はいろんなことがあったな…。

もちろん今日も早めに起きた。

あのイケメン双子の隣に立つのに化粧しないわけにはいかない。

誰かが言っていた。

化粧はより綺麗になるためのものではなくてブスを隠すものだ、と。

ネガティブに聞こえるが妙に納得してしまった。

今日はこの間とうってかわってラフな格好をしてみた。

そしたら双子の隣に立っても違和感がなかった。

ガーリーなものだったらやっぱり目立つ気がして。

夕海が一緒ならいいんだけどさ。

双子もかっこよかったな。

あの双子といたらそのうち刺されそう。

でもあの2人は復讐、のためにこの学校にきたんだよね..琴さん…あの2人があそこまで言うのはきっといい子だったんだろうな。

このことを考えると気持ちがずーんと沈む。

その思考を払拭するかのように首をぶんぶんとふる。

で、次に出てきたのはやっぱり涼風くん。

柚菜とは普通に接して話していた。

学校では絶対に見られない一面。

あの微笑み。

今は胸にしまっておこう。

でも、明日からどんな顔して会えばいいんだろ…。

は「はぁぁ…」

盛大なため息をついた。

まぁ、いいや。なるようになるだろ。

と自分を鼓舞して私はそのまま思考放棄を選んだ。