(渚side)
大人びた顔つきを更に大人っぽくするメイクも、ボディーラインをくっきりさせる女性らしい服装も、スタイルをよく見せるための高いヒールの靴も、全てを脱ぎ捨ててしまったら世界はとても優しく、呼吸しやすかった。
ダボっとしたオーバーサイズのパーカーにスキニーデニム、スニーカーはとても楽だ。いつもは少し億劫だった早朝の出勤時間も、通りを進む足取りは軽い。
駅前の交差点の赤信号で立ち止まる。駅構内に吸い込まれるように入っていく、今から出勤するであろう早足の人達を見て、ある人物の柔らかな笑顔を思い出す。
(……早く会いたいな)
「渚ちゃん最近雰囲気変わったね。何かあった?」
「えっ、そうですか?」
「服装とか化粧とか……もしかして彼氏が変わったとかだったりして〜」
ロッカールームで先輩から声を掛けられ、傍目から見てそんなに変わったのかと少し驚いた。先輩の冗談まじり**********************
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