テラーノベル
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振り付けの確認作業が終わったスタジオ。他のメンバーが帰り、残ったのはリーダーの岩本照と、彼を支え続けた宮舘涼太の二人だけだった。
宮舘は壁際のベンチに座り、タオルで汗を拭いながら深く息を吐いた。
「……ふぅ」
一瞬だけ見せた、完璧な「舘様」の仮面の下にある、等身大の疲労。
岩本はそれを見逃さず、無言で宮舘の隣に座った。
そして、自分の肩をポンと叩いてみせた。
「……使えよ」
「照……」
「お前、今日ずっと気を張ってただろ。……俺の前でくらい、力抜けよ」
岩本の低く、落ち着いた声。
宮舘は少し驚いたように岩本を見つめたが、その真っ直ぐな瞳に嘘がないことを悟ると、フッと優雅に微笑んだ。
「……じゃ…借りようかな」
「おう」
宮舘が、岩本のガッシリとした肩に頭を預ける。
岩本の体温と、筋肉の硬い感触。それが何よりも頼もしい支えになる。
宮舘の重みを、岩本は微動だにせず受け止めた。
「……重くない?」
「バーカ。俺を誰だと思ってんだ。涼太一人くらい、小指でも支えられるわ」
「ふふ、それは頼もしいね」
軽口を叩き合いながらも、二人の間には穏やかな沈黙が流れる。
しばらくして、岩本が動いた。
肩を貸したまま、そっと腕を回し、宮舘の腰を引き寄せたのだ。
まるで、大事な宝物を外部の敵から守るかのように。
「……照?」
「……なぁ、涼太」
岩本が、宮舘の髪に頬を寄せ、低い声で囁く。
「お前はいつも気高く振る舞ってるけどさ。……俺から見たら、時々折れそうで心配になる」
「……俺は、強くいなきゃいけないでしょ?」
「分かってる。…だから、折れる前に俺が支える」
岩本の腕に力がこもる。
強引ではない。けれど、絶対に離さないという意志の強さ。
「お前が誰にも見せない弱音も、疲れも、全部俺が引き受ける。……だから、俺の腕の中では、ただの『涼太』でいろよ」
男同士の約束のような、けれど熱を帯びた愛の言葉。
宮舘は、その不器用で真っ直ぐな優しさに胸を打たれ、岩本の胸板に顔を埋めた。
「……リーダーには、敵わないな」
「親友の特権だろ」
岩本が宮舘の顎を指ですくい上げ、互いの視線が交差する。
そこにあるのは、甘ったるい依存ではなく、背中を預け合える者同士の深い敬愛と、秘めた情熱。
「……少しだけ、甘えてもいい?」
「……存分にどうぞ」
重なり合う唇。
静かなスタジオに、男二人の体温が溶け合う。
気高い花は、鋼のように強い柱に守られてこそ、安心してその美しさを保てるのだ。
コメント
2件
親友の特権いい言葉だね~ 続き待ってます!
ひょよよよy