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俺はそう全てがわかっているような素振りで彼の質問に答える。実際のところ、俺は全てがわかっているのだが。
「どうして、君は俺が王位に感心があると?」
「王位に関心がない王子など滅多にいません。それに加えてあなたはそういう珍しい人間ではないでしょうね。でなければ魔法の能力を磨こうなどとは考えなかったはず。アルヴィアンの情報収集能力を多くの人間は過小評価していますが、それはカルム王子、あなたにとっては幸運でした。」
「つまりジョー、君は何を言いたいんだ、つまり君によると、アルヴィアンはいったい何なんだ?」
彼は不思議そうに聞く。
「アルヴィアンはこの国の全てかもしれません。ひょっとするとアルヴィアンなしでこの国は維持できないのかも。」
俺はそう冗談めかして述べる。これはでっち上げではなく真実だ。アルヴィアンはこの国の全てを知っているし、全てにアルヴィアンは関与している。つまり、もしもグッゲンハイムのような何かが存続しているならそれはアルヴィアンが、少なくとも現在は、放任しているということだ。でも基本方針は変わりうる。結局のところ、社会状況が『流動的』なのは『世の常』だから。