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「まさかとは思うが、俺がその発言を国王陛下に報告するとは、これっぽちも考えないのか?そうなったらジョー・アルヴィアンには不敬罪が適用されるかもな。」
彼は半分茶化したように、半分本気でそう言う。彼は感情がすぐ顔に出る分かりやすい人間で、どうやら嘘をつくのも得意ではなさそうだ。つまり、アルヴィアンにとって好都合な人間であると言えるだろう。
「カルム王子、そんなことをあなたがする訳がないのは知っています。現在進行形で、他の貴族たちは他の王子たちを次期国王にするために奮闘しています。現実的に考えて、カルム王子を国王にしようとする勢力などアルヴィアン以外には存在しません。それにあなたは俺と違って善良な人間ですし。だから考えていることがすぐ顔に出て来るし、嘘もつけない。そんな善良な人間が統治者になるとかなり苦労しますよ。だからこそ、邪悪さと暗部をあなたの代わりに請け負う人間にジョー・アルヴィアンはなりますよ。それでいいならアルヴィアンはこの国をあなたのために。」