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紫side
「紫ーくーん!」
いつものように本の整理をしていると、
元気な声が聞こえてくる。
「おはよ、青ちゃん」
「おはよぉ!」
「今日も元気そうだね笑」
「もっちろん!」
水色の髪が光を受けて輝く。
「ね、桃くんどこかしらない?」
桃くんは青ちゃんのペア。
俺たちの中でも最年長で頼れるお兄さん。
「桃くん?」
「多分部屋にいるんじゃない?」
「そっかぁ、ありがと!」
「今日予兆の黒点出やすいらしいから気をつけなね」
「はあい!」
元気に走っていく青ちゃん。
「羨ましい、」
自然と口からこぼれる言葉。
俺は戦うことができない。
「なにが?」
後ろから暖かい声が聞こえてくる。
「あ、橙くん」
「おはよ」
眩しいくらいに優しい笑顔。
「おはよう、聞こえてた?」
「なんか悩んでるん?」
「んー、まあね」
「どしたん?言ってや」
優しいな。
「俺は、戦えないから」
俺はいつも橙くんに守られてばかり。
ひとつも役に立たない。
「何言ってるん、俺たちはいつも紫ーくんに助けられてるんよ」
嗚呼、優しい
「…うん、ありがとう」
「いつでも相談してな?」
悲しげな顔をする君。
「…..うん」
ごめんね。
桃side
今日はよく晴れている。
きっと予兆の黒点も出やすいだろう。
「桃くーん!」
遠くから聞きなれた声が聞こえてくる。
「桃くん!探したよ〜」
くたびれた、とでも言いたげな顔だ。
「どうした?」
「いや、見回りに行こうかと思ってさ」
青はしっかりしているようでどこか抜けている可愛いやつだ。
「あー、早く月人来ないかな〜」
「来ないのが1番だろ」
「そーだけど〜」
不満そうな青。
青は6人の中では随一の戦闘好きだ。
「あっ!雪蝶!」
はしゃぐ青が可愛い。
「もう冬だな〜」
平和な会話をしていると
「青っ!」
「おっ!」
青お待ちかねの月人が現れた。
「やっと来たっ!!」
突っ走る青。
「落ち着けよ〜」
後ろから援護する。
「あッ!」
青の声。
と、ほぼ同時に青の腕が落ちていく。
「一旦下がれ!」
叫ぶも、月人を前にした青には逆効果な気もする。
「やだねっ!」
青が片腕で剣を持って突っ込んでいく。
「ちょっ、と落ち着け!!」
青を抱えて離れる。
「離してよ!」
ばたばたと暴れる青。
「ここで待ってろよ」
むすっとした顔で見てくるが、無視しよう。
月人を斬ると、一気に霧散していく。
「なんでやらせてくれないのさー!」
青が俺を叩こうとする。
「おい、手袋つけろ」
青のモース硬度は8、俺のモース硬度は7。
割れるのは俺だ。
「へいへい」
不貞腐れている。
「ほら、行くぞ」
手袋をつけて青を抱き抱え、破片を拾う。
「歩けるしっ!」
暴れる青。
「はいはい」
なだめつつ、医務室まで急ぐ。
紫side
誰かが走ってくる。
桃色の髪に長身。
「桃くん、どうした?」
「青がヘマやらかしてね笑」
「またやっちゃったの〜?笑」
青ちゃんを見ると、不貞腐れている。
「はい、腕出してね」
「ん…」
腕をつけ、破片をはめていく。
「しばらく安静にね」
「はぁい」
終わるころには機嫌もなおっていた。
「ありがと、紫ーくん」
桃くんが優しく微笑む。
光に透かされた髪が美しい。
「今日は俺たちに任せて休みなね」
「へへっ、ありがとっ」