w r w r d m z y b 短 編 小 説 。
i n .コ ミ ケ 組
〖 少 し ば か り 夢 を 見 よ う 。 〗
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sha 視点
学校から家に帰る。
扉を開けると、何とも言えない雰囲気が溢れ出た。
扉を開けた今、こう思うのもおかしいが、
帰りたくないと思ってしまう。
どうしてこうなってしまったのだろうか。
俺には知る由もないんだろう。
荷物を自分の部屋へ置き、手を洗うついでに、
リビングに、「ただいま」と吐き捨てた。
誰も居ない、静かな部屋に、吐き捨てた言葉は虚しく消えてった。
友達と散歩をしようと思い、ut先生にメールを送った。
案の定、ut先生は快く受け入れてくれた。
良い奴だな、と心の底から思った。
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sha
「 おっす 」
ut
「 おすおす〜 」
変な挨拶を交わしてから、適当に二人でぶらついた。
話しながら歩くにつれ、陽はどんどん沈んでいった。
流石にまずいと互いに思った様で、
彼が「 そろそろ帰るか 」と話を切り出した。
その言葉に、俺は同意した。
ut先生の家の前で、別れた。
俺の家はut先生の家のまだまだ先。
校区は同じである。
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学校から帰ってきた時のように、手を洗いに行った。
誰もいなかったリビングは、1人、人間が居た。
酒を飲んでいる父親だ。
親父は酒を飲んだら人が変わって、本当にやばい人間になる。
日頃、会社でストレスが溜まっているのだろう。
片親に加えて、仕事までして子どもも育てているのだから、
凄いとは思う。
たまに、機嫌が少し悪ければ、酒を飲んで酔いが回ったら、
俺を呼び出して、ストレス発散をしてくる。
前までは、そこまで高頻度じゃなかった。
今は少し増えたが、耐えれないという事は無い。
これも親父のためって考えたら、我慢くらいできる。
sha
「 父さん、ただいま 」
父
「 ぁあ、やっと帰ってきたか 」
酒で喉が焼けているのか、これがガラガラだった。
父
「 最近どうだ、勉強は 」
いつも通り、聞いてくる。
何も無い、と心の中で喜んだ。
sha
「 テストはできるけど、ぼちぼちかな 」
そんなの嘘。本当はテストの点数は毎回、赤点ギリギリ。
こんなの、バレたら叩かれる。
父
「 学校の先生にも聞いてみたんだ 」
驚きで声が出ない。 あんな点数、バレたらどうなるか。
父
「 …いい点数だったらしいな 」
あれ……っ。
sha
「 ん……うん、せやで 」笑
そうまた嘘をついたら、親父が顔を強ばらせて、こちらへ近づいて来た。
どうしたんだろう。としか、この時は思わなかった。
この時、親父が近づいてきたことに、疑いを持っておけばよかった。
目の前に来た途端、親父から平手が飛んできた。
強く、怒りが籠ってるように感じた。
親父が平手打ちをしてきた時、バランスを崩して倒れた。
頬に激しい痛みが走った。
sha
「 ぃ……っ 」
父
「 いつからそんな嘘をつくようになった…ッ、お”前は”ッ!!! 」
親父に髪を掴まれ、無理やり立たされて、壁に頭を打ち付けられた。
ずっとついてたよ。嘘なんて。
今更気づいただけじゃないか。
なんの非があるってんだ。嘘は悪いことじゃないだろう。
父
「 聞いてるだろッ!!? さっ”さと答え”ろッ”!! 」
黙ってる分だけ、俺の髪を掴む力が強くなる。
皮膚が引っ張られて痛い。
声を出そうとしたら、腹を思いっきり殴られた。
気持ち悪さが込み上げた。
逃げなきゃ。
その考えだけが、頭を巡った。
力量の差は大きいが、親父を蹴り飛ばして、
よろけた隙に、足を玄関へ勧めた。
すぐ履ける靴を履いて、家を出て、
ただひたすらに走った。
足を止めたら殺される。
そんなの、ただの被害妄想に過ぎないが、
逃げるのに、無我夢中だった。
腹の底から込み上げる吐き気。
河原まで走って息を整えていたら、
吐き気が極限まで達して、口から吐瀉物がこぼれた。
ut先生と散歩に行った時買い食いした肉まんが、
胃の中から、胃酸とともに溢れた。
川の水でうがいした。気持ち悪さに咳き込んで
また、胃の中のものを戻してしまった。
橋を支える柱にもたれて座り込んだ。
濡れた顔を雑に、服の袖で拭いた。
俺はそのまま、その場にうずくまった。
sha
「 は……っ 」
短く、息をもらした。 頼る宛がない。
親戚は県外に住んでるから、今から行くにも行けないし、
あまり関わりがない。
このまま、孤独死ってのも、別にいいか。
そう思って、少し諦めた。
目を閉じたら、意識が薄れ、唐突な眠気に包み込まれた。
少しだけ、眠りにつくことにした。
現実逃避をするために。
いろんな人に愛されるような夢を見るために。
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コメント
2件
あの 、雰囲気好きすぎです 。言葉に表せないぐらい すこ ですね 。😐️👍🏻 物語の場面 流す タイミングが まじで 天才か 、…???✨✨ ふつーに 物語リアルで 好きすぎるし 、しかも 表現力がまじで 上手すぎ …!!!!!😭😭😭 誰もが これ何回も リピートしちゃうよね 絶対そう()