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そう言って着いた場所は至って普通の家。

特にボロいとことか変なとこは無いけど、

今見てるのは外見だしな…。

そう思いながら渋々家の中に入ると、

真っ白な壁から手のようなものが生えていた。

それどころか、動いている。

「ぇ…?」

私が声を漏らすと、

不動産さんの人は汗を拭きながら

「この家は『生きてる』んです」

と言う。

家が生きてる?

「家賃が2万なのは、それのせいですか?」

「そうなんですよ…」

「一応こういう感じで意思疎通も出来ますし、信頼されれば中々使えるものでして…」

そう説明している最中にも、

壁から出た白い手は紙とペンで

何かを描いているようだった。

「便利なら尚更、買う人はいるんじゃないんですか?」

「珍しさとかで…」

「それが中々いないんですよ…」

「なんとも、気持ち悪いとかでね…」

この家と一緒に過ごす。

なんだか面白いかもしれない。

しかも、

この値段の家なんてもう会えないと思うし..。

そう思い、私は

「じゃあ、買います」

そう言うと

「本当ですか!!?」

「こちらとも有難いです!!」

ととても喜んでいるようだった。

私の家は生きています。

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