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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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2.不思議な傘との出会い

あれから”普通”について考えたけど、結局答えは出なかった。


そして、休み明けの月曜日。

教室に入ると、いつも通りの握やかなクラスが広がっている。

「昨日楽しかったねー!」

「だよね〜、山田が99点出したじゃん?」

「ガチ面白かった〜」

昨日のカラオケの話をしてるグループも多数あった。

「ねぇ、楽菜。昨日なんで来なかったの?」

「え?アタシ?実は、用事があったのを思い出しちゃってさぁ」

「楽菜が提案したのにー。」

「ごめんごめん!でも次は行くよ~」

「そういっていつも来ないじゃんー」

「次はほんとだってば!」

楽菜に話しかけてる子も何人かいる。

なんで来なかったの、とか。

なんでいつも来てくれないの、とか。

みんなは、楽菜に来て欲しいのに、どうして楽菜は行かないんだろう。


一日が過ぎるのは早い。

もう今は放課後の時間。

「今日もカラオケみんなで行こー!」

「行けない人いるー?」

今日もみんなはカラオケに行くみたい。

ほんと、カラオケ好きだよな。正直言って、それのどこが楽しいのか、分からない。

そもそもわたしは、理解しようともしてないんだろうけど。

「楽菜は行く?」

「アタシはいいかなぁ」

「えー、なんでよー」

「今日も用事があるの〜」

ほんとに、なんで行かないんだろう。

そんな会話を聞きながら、わたしはただただ黙って帰りの支度をした。


「…ここ、初めて来たけど…」

すごい静かだな。誰もいない。

それに…

「凄く落ち着く…」

ここは屋上へ続く階段。

そこに1人でぼーっとしながら座っていると、ふと、屋上へ行きたくなった。

「屋上って、あんま行ったことないけど…」

なんだか上からの景色が気になって、行ってみようって思ってしまった。


わたしはこの時、初めて空に感動した。

入道雲が広がっている青い空。

そこから降り注ぐ明るい太陽の光。

そして、そよそよと吹く、涼しい夏風。

「…」

ここにいれば、心が浄化されるようだった。

ふと地面を見ると、屋上の丁度ど真ん中。

そこに置いてあったのは───


シンプルなビニール傘


ごく”普通”な傘だった。

不思議に思い、わたしはおもわず傘の置いてある場所へいった。

そして、その傘を持ってみる。

だけどなにも起こらない。

「なんなのこの傘…」

頭の上には、はてなマークが浮かんでいる。

この傘、もともと開いてたし。

誰かの忘れ物かな?

そう思いつつ、頭の上に傘を持ってきてみる。

すると突然───!


ザァァァァァ───


「え?」


雨が降ってきた。


急な大雨。

さっきまで晴れていた空は一気に曇り空に変わって暗くなっている。

「な、なに?」

何が起きたのか分からなくて、わたしはその場で立ち止まる。

「こ、こわっ!なんなのこの傘!」

急に恐怖が襲ってきて、おもわず傘を突き落とす。

すると今度は────


「はぁ!?」


雨が止んだ。


大雨だったのに、急にさっきのように晴れてきた。

曇り空がどんどん明るくなっていく。

「なんなの!?意味わかんない!!」

わたしはダッシュで屋上から出ていった。


「はぁ…はぁ…疲れた…」

さっきの傘…屋上に置きっぱなしだ…

わたしが持つと、急に雨が降って。

わたしがそれを放すと、雨が止む。

…ほんとなんなの、あの傘!?

わたしは屋上へ続く階段をじっと見つめて、「帰ろう」そうポツンと呟いた。


ーあとがきー

第2話、いかがでしたか?

この話から本題に入りました!

持つと雨が降る傘…放すと雨が止む傘…

不思議が詰まった傘ですが、ここからその傘が優奈を変えていきます!!

幼馴染の楽菜。優奈の秘密。

まだまだ謎ばかりですが、それを第3話から解き明かしていきます!

By作者・F/えふ


ー次回予告ー

不思議な傘と出会った優奈。

幼馴染の楽菜と秘密の約束を交わす?

その秘密は絶対に誰にも言ってはいけないもので…


次回の第3話をお楽しみに!

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