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第6話消えた宿題を修理屋さんが復元!?
ある日の昼休み。目蒲 安が青ざめた顔で教室の机に頭を打ちつけていた。
「終わった……消えた……」
「何が?」と芦野 勇が覗き込む。
「昨日の宿題……どこ探しても見つからない……!」
「それはやばいな。」
「目蒲、ちゃんとやってたの?」と時永 時恵が本を閉じながら聞く。
「やったよ! ちゃんとやったのに、ノートが……」
そんな時、君原 角が「それなら!」と手を挙げた。
「ポン太が直せるかも!」
「えっ、修理屋さんの能力って、壊れたものを直すだけじゃないの?」
「理論的には、”元あったものを復元する”能力だし……ほら、試してみよう!」
君原が声をかけると、ポン太がポンっと姿を現した。
「おう、オイラに任せろ! 消えた宿題を、見事に復元してやるぜ!」
ポン太は目蒲の机をトントンと叩くと、目をキラリと光らせる。
「よーし、宿題よ、戻れぇーっ!」
ぽわんっ!!
机の上に、一冊のノートが出現した。
「おおっ!! すごい!!」
目蒲がノートを手に取り、ページをめくる。
しかし――
「……ボロボロ!??」
ノートの端は破れ、ページの角はなぜか焦げている。
「うわぁ、なんで燃えてるの!? 俺、火を使う宿題なんかしてないんだけど!!」
さらに、ページの隅には、かわいらしいタヌキの落書きと 「ポン太参上!!」 のサインまで入っていた。
「……え?」
「まあまあ、消えた宿題が戻ってきただけマシだろ!」とポン太がドヤ顔を決める。
「これ、先生に提出できるのか……?」と時永がじっとノートを見つめる。
「いや、もう出すしかない……!」
目蒲は覚悟を決め、ボロボロのノートを持って職員室へと向かった。
「先生……宿題、やったんですけど、ちょっと事故が……」
「どういうこと!?」
先生はノートをめくり、ため息をついた。
「……まあ、目蒲なら本当にやってるんだろうし、一応OKにしておく。でも、次はちゃんと管理しなさい。」
「ありがとうございます!!」
ポン太は胸を張った。
「オイラの修理能力、なかなか役に立っただろ?」
「いや、次はもうちょっとキレイに復元してくれよ!!」
目蒲のツッコミに、みんなは大笑いした。