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古流斬
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チタコロ
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第三章 はぐれ者編
第十話「思い出した記憶」
激しい剣戟が続く。
キィン!!
ザッドの剣とユーマの創り出した剣が何度もぶつかり合う。
「まだまだだ!」
ユーマは能力『夢』で無数の剣を生み出す。
ザッドは冷静に斬り払いながら、胸に違和感を覚えていた。
「……何だ、この感覚は。」
頭の奥が痛む。
戦うたびに、忘れていた景色が浮かぶ。
黒いコート。
一本の刀。
静かに笑う少年。
「まさか……。」
次の瞬間。
記憶が一気に流れ込んだ。
⸻
過去。
古流斬とザッド。
互いに剣を構える。
ザッドが笑う。
「強くなったな。」
古流斬も静かに答えた。
「あなたが鍛えたからだ。」
一瞬だけ。
敵同士ではなく、まるで師弟のような空気が流れる。
⸻
決着
しかし、その一瞬が勝負を分けた。
古流斬は腰からワイヤーを放つ。
ザッドの剣を絡め取り、弾き飛ばした。
そのまま一瞬で距離を詰める。
首元へナイフを突きつける。
勝負あり。
⸻
ザッドは静かに目を閉じた。
「やれ。」
だが、古流斬はナイフを下ろした。
「殺さない。」
「俺は……もう誰も殺したくない。」
ザッドは静かに笑う。
「最後まで甘い奴だ。」
立ち上がると、古流斬へ背を向ける。
「行け。」
「生きろ。」
⸻
記憶はそこで途切れた。
⸻
現在。
ザッドは思わず後ろへ下がる。
「今のは……。」
「古流斬……。」
ユーマは驚いた表情を浮かべる。
「父さんを知ってるのか?」
ザッドは額を押さえる。
「一部だけ……思い出した。」
「あの男と戦った記憶。」
「私を殺さず、生かした記憶。」
ザッドはユーマを見つめる。
「だが……。」
「なぜ今になって思い出した?」
「虚飾に消されたはずの記憶が……。」
答えは分からない。
それでも胸の奥に残る感情だけは確かだった。
「あの男は……。」
「本当に強かった。」
ユーマは静かに剣を握る。
「父さんは、そんな人だったんだ。」
ザッドは小さく笑う。
「ああ。」
「だからこそ、お前を簡単には倒せない。」
再び剣を構える二人。
だが今度の戦いは、どこか先ほどとは違う空気をまとっていた。
――第十一話へ続く。
コメント
1件
おお、第57話…過去の記憶が一気に流れ込む展開、痺れたわ。ザッドと古流斬が師弟みたいな間合いで戦ってたのが熱いし、「♡♡♡ない」で生き残らせたのがあとあと効いてくるの、めちゃくちゃ良い構成やな。ユーマが「父さんはそんな人だったんだ」って呟くシーンでグッときた。次、どうなるんやろな🔥