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#闇バイト
るしゅ
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油味噌
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翠
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「お前の近くにいる」
父さんの言葉が頭から離れなかった
「……どういう意味だよ」
俺は父さんを見る
「蓮が俺の近くにいるって」
父さんは答えない
「どこにいるんだよ」
「……」
「学校?」
「違う」
「仕事?」
「違う」
「じゃあどこだよ!」
父さんが目を伏せる
「悠真」
「何?」
「それ以上聞くな」
まただ
またこの言葉
聞くな
知るな
関わるな
俺の人生はずっとそうだった
俺が何かを知ろうとすると
誰かが止める
でも。
もう無理だった
「父さん」
俺は言った
「俺はもう、何も知らないまま生きるつもりはない」
「……」
「俺が生まれた日」
「蓮のこと」
「Rのこと」
「全部知る」
父さんは俺を見る
「お前は何も分かっていない」
「だから教えてくれよ」
「知ったら戻れなくなる」
「もう戻れないよ」
俺は答えた
父さんが黙る
その瞬間。
玄関の外から音がした
「……誰かいる?」
俺と父さんは同時に振り返る
カチャ
ドアノブが動いた
俺の心臓が跳ねる
「父さん」
「動くな」
父さんが小さな声で言う
ドアノブが。
もう一度動いた
カチャ
カチャ
誰かが。
外にいる
父さんがゆっくり玄関へ向かう
俺も後ろをついていく
「父さん」
「黙ってろ」
父さんがドアの前に立つ
そして。
一気に開けた
「……誰もいない」
廊下には誰もいなかった
俺は外を見る
静まり返っている
「気のせい?」
俺が言った瞬間
父さんが地面を見る
「……違う」
「何?」
父さんが拾い上げたもの
それは。
一枚の封筒だった
表には。
俺の名前
**神谷悠真**
父さんの顔色が変わる
「何これ」
「触るな」
父さんが言う
「え?」
「俺が見る」
父さんが封筒を開ける
中には。
一枚の紙
そして。
写真
父さんが写真を見た瞬間
手が止まった
「……父さん?」
父さんは何も言わない
俺は写真を覗き込む
そこには。
幼い俺
そして。
もう一人
同じくらいの年齢の男の子
「蓮?」
俺は呟いた
父さんが写真を隠す
「見るな」
「なんでだよ!」
俺は写真を奪い取った
裏側を見る
そこには。
日付
**2018年**
俺が小学生の頃
そして。
場所
**神谷家**
俺は写真を見る
「これ」
「俺の家じゃん」
父さんが黙る
「じゃあ蓮は」
俺は写真を指差す
「この時、俺の家にいたのか?」
「……」
「父さん」
「……いた」
俺の手が止まる
「蓮は」
父さんが言った
「一度だけ、お前の前にいた」
「俺の前に?」
「そうだ」
「じゃあ、なんで俺は覚えてない?」
父さんは答えなかった
俺は写真を見る
幼い俺
その隣にいる少年
顔は。
なぜか少しだけぼやけている
でも。
確かに俺の隣にいる
「この子」
美咲が言った
俺は振り返った
「……美咲?」
いつの間にか。
玄関の外に美咲が立っていた
「どうしてここに?」
「悠真に連絡しても返事がなかったから」
俺はスマホを見る
着信が何件も入っている
気づかなかった
美咲が写真を見る
そして。
表情が変わった
「……この子」
「知ってる?」
美咲は答えない
「美咲?」
「違う」
「何が?」
「この写真」
美咲が写真を指差す
「この場所」
「俺の家だろ?」
「違う」
美咲が首を振る
「ここ」
写真の奥
俺たちの後ろに写っている建物
俺は目を凝らす
「……病院?」
「うん」
「何で?」
美咲が写真を裏返す
「2018年」
その下に。
小さな文字
**『204号室』**
俺は息を止めた
「……また?」
204号室
俺が初めてRから呼び出された場所
そして。
今まで何度も俺たちの前に現れた番号
「父さん」
俺は父さんを見る
「この写真」
父さんは黙っている
「2018年に」
「俺と蓮は」
「204号室にいたのか?」
父さんの表情が変わった
「違う」
「じゃあ何で?」
「それは」
父さんが言葉を止める
その時
俺のスマホが震えた
Rからだった
画面には。
一枚の画像
俺は開く
そこには。
さっきの写真と同じ場所
でも。
違う角度から撮られている
俺と蓮
そして。
その後ろに。
もう一人いる
俺は息を止めた
「……誰?」
美咲が聞く
俺は画像を拡大する
そこに写っている人物
顔は。
見えない
でも。
服装が分かる
白衣
そして。
胸元に。
赤いR
俺は父さんを見る
「この人」
父さんが震える
「知ってるの?」
父さんは答えない
「父さん!」
俺が叫ぶ
「この人誰なんだよ!」
父さんは。
ようやく口を開いた
「……医者だ」
「医者?」
「お前と蓮が生まれた時」
父さんは言った
「二人を担当した医者だ」
俺は息を止める
「じゃあ」
俺は写真を見る
「この人が」
「俺と蓮のことを知ってる?」
「ああ」
「Rなのか?」
父さんが黙る
その沈黙で。
俺は理解した
「……違う」
美咲が言う
「Rじゃない」
俺は振り返る
「じゃあ何?」
美咲は。
写真の赤いRを見る
「この人」
「Rを作った側なんじゃない?」
俺は言葉を失った
Rは。
一人じゃない
役割
そして。
その役割を受け継ぐ人間がいる
なら。
その始まりは?
誰が。
最初にRという役割を作った?
俺は。
初めて。
その可能性を考えた
父さんがRになった
蓮がRになった
でも。
その前に。
誰かがいた
Rを作った人間が
俺は父さんを見る
「父さん」
「何だ」
「最初のRって」
父さんは黙る
「本当に父さんなのか?」
父さんの顔が。
一瞬だけ。
歪んだ
「……違う」
俺は息を止めた
「え?」
父さんは。
ゆっくり俺を見る
「俺は」
「最初のRじゃない」
その言葉が。
頭の中に響いた
「じゃあ」
「最初のRは誰なんだよ」
父さんは答えなかった
その代わり。
俺のスマホが震えた
Rから新しいメッセージ
俺は開く
**『やっと気づいたね』**
その下
**『Rは、始まったんじゃない』**
さらに。
**『作られたんだ』**
俺は画面を見つめる
そして。
最後のメッセージ
**『その始まりを知っているのは』**
**『君のお父さんじゃない』**
俺は息を止めた
その下に。
名前が表示される
俺は。
その名前を見た瞬間
言葉を失った
**『美咲の母親』**
「……え?」
美咲の顔が。
凍りついた
俺は。
ゆっくり彼女を見る
「美咲」
「……」
「これ」
「何なんだよ」
美咲は答えない
ただ。
スマホの画面を見つめている
その目に。
涙が浮かんだ
「……知らない」
美咲が呟く
「私も」
「何も知らない」
その時。
父さんが言った
「……嘘だ」
美咲が父さんを見る
「え?」
父さんの顔は。
今まで見たことがないほど。
険しかった
「お前の母親は」
父さんが言う
「全部知っている」
俺は。
その言葉を聞いた瞬間
理解した
俺たちが追っていたRの謎は。
父さんだけじゃない
蓮だけでもない
美咲の母親も。
その中心にいる
そして。
俺が生まれた日から始まっていた物語は。
俺一人の物語じゃなかった
美咲も。
最初から。
この物語の中にいた
(第四十九話へ続く)
コメント
1件
うわ、めっちゃ続きが気になる……! 今回も「知るな」「聞くな」の連続で悠真のフラストレーションがひしひし伝わってきた。写真の裏に「204号室」って書いてあったのもゾッとしたし、父さんが「最初のRじゃない」って認めた瞬間は鳥肌立ったよ。しかも美咲の母親が鍵を握ってるって……まさか彼女も最初からこの物語の中にいたんだな。設定の重層性が増してきて、世界の成り立ちが気になって仕方ない。続き、楽しみにしてる!