テラーノベル
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障壁が砕け散った先、重厚な石の扉がゆっくりと、重低音を響かせながら左右に開いた
そこは「宝物庫」という名に相応しく、天井まで届くほどの棚に、
この監獄が世界中から奪ってきたであろう魔導具や武器が整然と並べられていた
おんりー 「……やっと、着いた」
おんりーは肩で息をしながら、真っ先に部屋の中央へと視線を走らせた
そこには、見覚えのある黄色の鞘に収まった一振りの剣と、
軽量化を突き詰めた見慣れた防具一式が、まるで展示品のように台座に置かれていた
MEN 「あった……。俺の特製デバイスも、あそこにあるわ
……本当、勝手に持ち出しちゃって。後でたっぷり『延滞料金』を請求してやらないとね」
MENもまた、自身の命とも言える多機能端末を見つけ、不敵な笑みを浮かべた
二人は迷うことなく、自らの「半身」とも言える装備を手に取る
おんりーが剣の柄を握りしめた瞬間、彼の周囲に微かな風が巻いた
腕に嵌められていた魔法の腕輪がその圧倒的な剣気に耐えきれず、
パキィィンという甲高い音を立てて砕け散る
おんりー 「……あぁ、やっぱりこれだよ」
剣を抜き放ち、一閃。 ただの素振りに過ぎないその一撃が空気の断層を作り出し、
近くにあった石の台座を真っ二つに切り裂いた
先ほどまでの、どこか重苦しかった動きはもう微塵も感じられない
MEN 「おんりー、こっちも準備できたわ。
……お待たせ。フルスペックのMEN様のハッキング、見せてやらぁ!」
MENが手にしたデバイスの画面が、これまでとは比較にならないほどの高解像度で展開される
無数のウィンドウが彼の周囲を浮遊し、監獄全体のシステム構造を立体的に投影し始めた
MEN 「……あーあ、ひどいね。この監獄、魔法で無理やり空間を拡張してるせいであちこちデータがボロボロだよ
……よし、この脆弱性を突いて一気に心臓部までショートカットさせてもらおうかな」
おんりー 「準備はいい?MEN
……ここまでは逃げるのが精一杯だったけど、ここからは俺たちが追い詰める番だ」
二人が装備を整え、部屋を出ようとしたその時――
監獄全体が、これまでにないほどの激しい揺れに見舞われた
天井の魔法灯が真っ赤に染まり、スピーカーからはノイズ混じりの、傲慢な男の声が響く
???『愚かな。システムのエラーごときが、この聖域を乱すか』
おんりー 「……管理者、かな」
MEN 「だろうね。今のハックで相当怒らせちゃったみたい
……でも、遅いんだよ。俺たち、もう『フル装備』になっちゃったからさ」
MENがデバイスのキーを一つ叩くと、廊下の四方から迫りくる守護兵たちの動きがピタリと止まった
それどころか、彼らは互いに武器を向け合い、自壊を始める
MEN 「おんりー、道は作ったよ。最短ルートで最上階の制御室まで
……邪魔な壁は、俺が全部消す。邪魔な敵は、おんりーが全部斬って」
おんりー 「了解。……最高にシンプルでいいね」
おんりーが走り出す。 その速度は、先ほどまでの「魔法監獄の限界」を遥かに超越していた
彼の通った後には真空の道ができ、衝撃波で壁が次々と崩落していく
廊下に立ちはだかる魔法の防壁
しかし、おんりーが剣を振るう前に、MENのデバイスから放たれた黒いノイズの弾丸が
障壁そのものの「存在理由」を書き換え、砂のように霧散させていく
MEN 「おんりー、右! 三体転送されてくる!」
おんりー 「見えてる」
おんりーは走る速度を一切落とさず、三つの光る魔法陣の中心を駆け抜けた
次の瞬間、転送されてきたばかりの守護兵たちは、その巨体が上下左右バラバラに切断され地面に転がった
おんりーの剣がいつ抜かれ、いつ収められたのか、監視カメラの映像ですら捉えることはできない
MEN 「ははっ、やっぱりおんりーと組むと楽だわ! 俺が計算する前に、敵がいなくなってるんだもん」
MENもおんりーの背後を浮遊する魔法のプラットフォームに乗り、高速で移動しながらハッキングを続ける
彼の指先から放たれるウイルスコードが、監獄の警備システムを次々と「味方」に書き換えていく
MEN 「よし、ゲート01から08まで全開放! 次の層へ行くよ!」
おんりー 「一気に行く」
おんりーは階段など使わない。
MENがハックして床の重力設定を「上向き」に変えた瞬間、
二人は文字通り空を飛ぶようにして、上層階へと突き抜けていった
魔法という「常識」の世界に、科学とスピードという「非常識」が荒れ狂う
監獄の管理者が想定していたどんな罠も、二人の前では無意味だった
罠が発動するより早くおんりーが通り過ぎ、仕組みが発動するより早くMENがコードを書き換える
おんりー 「……見えてきたよ、最上階の扉」
MEN 「あれを壊せば、この悪夢も終わりだな……さあ、最高のエンディングを見せてあげよう、おんりー」
おんりー 「……うん。終わらせよう」
おんりーは走りながら、剣を正眼に構えた
その刃には、MENのデバイスから流し込まれた「魔法を無効化する黒い雷」が纏わりついている
科学と魔法、そして剣技
二人の力が一つになった最強の一撃が、監獄の心臓部へと叩きつけられようとしていた
追記:投稿時間遅くなってしまってすみません…!次回は2/10日…だと思います()
その代わり(?)に「5つのピースと2つの牙」という作品を更新するつもりなので!!
ぜひ見ていただけると嬉しいです(*´꒳`*)
コメント
4件
今回も最高、、✨ スピード感あってめっちゃ好きっ!! 脳内でアニメになって再生されてた、、w