テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
ああもう、これマジで重い回だ……。 古流斬の残り寿命が九年って、しかもあと三回で終わりってのが辛すぎる。「使いたい、でも使えねぇ」の葛藤が胸に刺さるわ。傲慢の「代償がある」って推測も鋭くて、敵ながらゾクッとした。 ケイトが隣に来てくれたシーン、あの無理した笑顔に泣ける。守りたいもののためだけに残り三回を使う覚悟、めっちゃ熱いし応援したくなる。次回が待ち遠しい🔥
希望の曖昧』
第二章 七つ大罪編
第二十九話「残された九年」
防衛軍本部。
嫉妬と暴食が去り、戦場には静けさが戻っていた。
仲間たちは被害の確認に追われる。
しかし古流斬だけは、一人で屋上に立っていた。
夜空を見上げ、小さくつぶやく。
「……使いたい。」
「でも、使えねぇ。」
拳を強く握り締める。
⸻
隠していた真実
誰にも話していない秘密。
それは、本当の残り寿命だった。
憤怒との戦いで「存在消滅」を使った結果、古流斬の寿命は大きく削られていた。
「残り……九年。」
「あと三回。」
「三回使えば……俺は終わる。」
古流斬は苦笑した。
「だから、簡単には使えねぇ。」
⸻
七つ大罪の玉座
その頃。
嫉妬と暴食は玉座の間へ戻っていた。
暴食は不満そうに座り込む。
「腹減ったー!」
嫉妬は静かに報告する。
「傲慢様。」
「古流斬は奥義を使いませんでした。」
玉座の最上段。
傲慢は目を閉じたまま聞いていた。
「……そうか。」
⸻
傲慢の推測
嫉妬は続ける。
「能力を隠しているようにも見えました。」
傲慢は小さく笑う。
「違う。」
「使えない理由がある。」
「代償だ。」
「どんな力にも、それ相応の代償はある。」
嫉妬は静かにうなずいた。
「では、追い詰めれば……。」
傲慢は口元をゆがめる。
「そうだ。」
「追い詰めれば、奴は必ず切り札を使う。」
⸻
古流斬の決意
一方、防衛軍本部の屋上。
ケイトが古流斬の隣へやって来る。
「一人で考え込むな。」
古流斬は笑顔を作る。
「大丈夫。」
しかし、その笑顔はどこか無理をしていた。
心の中で、古流斬は静かに誓う。
(あと三回。)
(その三回は、本当に守りたいもののためだけに使う。)
(それまでは……絶対に使わない。)
夜風が静かに吹き抜ける。
その空の下で、七つ大罪もまた、次の戦いへ向けて動き始めていた。
――第二十九話「残された九年」 完
麗太
628
古流斬
2,542