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・登場人物は全てオリジナルのキャラクターです(一次創作)
・BL要素を含みますが、やらしい描写は無いです(多分)
・設定などがぶっ飛んでいることがあると思いますが、お見逃しください()
それでもいいという人は、どうぞ↓↓↓
「…じゃあ、こういう作戦で行くってことでいいね?」「あぁ。…緊張、するな」「大丈夫よー、エリアZにさえ行けばこっちのもんだから」よしよしと撫でて、俺はダクラの手を引っ張った。
作戦はこうだ。出歩いてはいけないはずの時間にダクラが外を徘徊し、警備ロボットに捕まる。まぁその後はエリアZに連れて行かれて作戦成功かな。俺はその隙に街の中心にある大斐の住処に向かい、俺自身とご対面できる、というわけ。
「じゃあ俺は行くから、ちゃんと演技するんだぞ」「…分かってる」「じゃっ、お互い頑張りましょう☆」「ま…っ、待ってくれ大斐、」「なに?」「頼むから、無事でいてくれ」「…ふっ、こっちの世界のダクラは心配性だなぁ。もちろん無事でいるよ、お前もな」「あぁ。…いつものはやってくれないのか?」「いつもの?」「よしよし、だ」は?めっちゃ可愛いんだけど。心臓がぎゅんって言った。「んも~ダクラくんは甘えただな~」ダクラの頭をなでながら、抱きしめた。「?!」「みんなと仲良くやるんだぞ」「わかってる、」「ちゃんと言うこと聞いて、勝手な行動もだめだぞ」「わかってるぞ、いきなりどうしたんだ大斐」「…」本当は俺、すっごく不安なんだ。一人でいるのが心細い。だから一緒に来て。…そう、お前に言いたい。だけど出来ないんだ。だからせめて今だけ、お前を抱きしめさせて。
「…じゃあそろそろ…」そう言って俺がダクラを離そうとしたら、柔らかい感触が自分の頬に当たるのを感じた。一瞬何が起こったのかわからなかったが、気づいた時にはダクラが顔を離し急ぎ足で俺から離れていた。去っていくあいつの耳が真っ赤になっているのを見た瞬間、俺は全てを理解し一人で悶絶していた。
さて気を取り直して。俺は興奮している心臓を落ち着かせながら、街の中心部分へと向かっていた。俺には紋章がなくほかの人にも顔を認知されるため、裏道を通って歩いた。通報されて政府当局と追いかけっこするのは嫌だからな。「…ここか」しばらく歩いていくと、バカでかい建物が見えてきた。そこかしこに警備ロボットがパトロールをしていて、付け入るスキがないような状態だった。だがこれは大して問題はない。ロボットは紋章に反応をすると、あらかじめヒイラに教えてもらっていた。逆に言えば、紋章がない俺はロボットに気づかれないと予想できる。1回目や2回目にロボットがすっ飛んできたのは、侵入者として俺を察知したからではなく、市民が通報したからとヒイラも言っていた。だから、誰にも見つかってなくて通報されてない今なら、あいつらは俺を察知しないらしい。まあ堂々と通って見つかったらどーすんだとも思わなくはないけど、紋章がないことが想定されてないこの世界じゃ十分にありえる話だと思う。つーことで、俺は堂々と正門まで歩いて行った。この時間にここらで歩いてる市民は誰もいないから、通報されることもない。心臓バックバクのドッキドキだったけど、本当に気づかれずに入口に着くことができた。入口には手をかざす装置らしきものがあったから、そっと手を当ててみる。すると目の前にホログラムのドアが出現した。俺はニヤリと笑って、躊躇せずに中に入った。
最初に目に入ったものは、大きな人型のホログラムだった。これが部屋の中央に3つ並んでいる。一人はヒイラで、もう一人は俺…、つまりこれらは歴代の最高指導者のホログラムってことね。一代目の人は存じ上げないけど…。てかこのオオヒめっちゃかっこよくね?いや俺だけどさ。ナルシストとかじゃなくてさ。なんか…、厳格な雰囲気が感じ取れるっていうか…。俺より頭よさそう(?)
…自分のホログラムに手を伸ばす。
「触るな」「ひゃいっっっ!!」冷たすぎる声で一瞬誰の声か分からなかったけど、自分と同じ声だった。てか変な声出たんですけど、どーしてくれんの?「…そのホログラムに触ると本部に繋がる。同じ顔が二つある状況をあいつらに見られたくはないだろう」「…え、っと…」ゆっくりと後ろを振り返る。自分と瓜二つの顔が無表情のまま俺を見つめていた。「…初めまして、だな。’大斐’」「!!」「まあそう身構えるな。俺はお前と敵対しようなんて考えていない」「…そ、そう…」ヒイラやヴォルテが言ってたことの意味がやっとわかった。確かに、俺とは雰囲気が違う。そこに存在するだけで人がひれ伏すような、そんなオーラを放ってる。「こっちへ来い。ずっと入口で立っているつもりか?」「い、いや、ついていかせていただきます…」
やばい。自分と全く同じ顔をした奴が目の前にいるこの状況…。興奮とか興味とか以前に、単純に怖い。