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好きでもない男の手が自分の肌を滑る感覚が耐え難くて、強く目を瞑った時だった。
閉ざされていた扉が開いて、聞こえたのは彼の声。
あの日、私が聞いた口の悪い彼よりワントーン高い声色は、まるでどす黒く汚染された空気を一気にクリアにするように響いた。
「お邪魔しちゃってすみません」
そう言って中へ入ってくる人物に警戒して、私から距離をとった部長が小さく舌打ちをする。
それだけで私の身体には緊張が走るというのに、そんなことなど知らない彼は明るい声で続けた。
「いや、さっき会議で使った資料を片付けたんですけど、その時に忘れ物してしまって――」
「用を済ませてさっさと出ていってくれ」
そんなことはどうでもいいとでも言うように言葉を遮る部長に、嫌な顔1つせずに彼は「はい」と感じのいい返事して、ファイルされた資料が大量に並ぶ棚へと向かう。
その姿を追うように、突然現れた後輩くんから視線を逸*****
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