家に戻ると、スコルとアルフレッドが出迎えて、心配してくれていた。いかんな、少し遅くなってしまった。
「すまない、二人とも」
「ラスティさん、とても心配しました。……って、ハヴァマールさん、大丈夫なんですか!?」
「ああ、コイツは疲れているだけだ。もう立たせるよ」
「そ、そうなんですね。良かったー」
俺は、ハヴァマールを背中から下ろした。
「ありがとなのだ、兄上」
「構わんさ。それより、アルフレッド。泣きすぎだろ」
目の前でダバダバと涙を流す執事。
俺を心配する気持ちは嬉しいが。
「ずびばぜん……ぼっちゃん。心配で心配で」
「すまんって。でも俺も強くなったし、そう簡単にはくたばらんよ」
「ええ、この島に来てから、ぼっちゃんの成長は著しいです。こんなに逞しくなられて……私は嬉しいのです。その感動の涙もあったのです」
まったく、心配性というか過保護というか。でもまあ、忠義に篤くて俺も嬉しい。
そのままテーブルへ向かい、食事となった。
「今日も“イノシシ肉”です!」
と、スコルは予め焼いてくれた肉を“大きな草”に盛り付けていた。皿の代用か、なるほど、この手があったか。
料理のバリエーションが無いのは仕方ない。ワークテーブルは習得したが、肝心の『鉄』がまだ入手できていない。鉄鉱石を鉄に変えないと……作業は明日だな。
「まあでも、イノシシ肉もクセになる味だよな」
「ええ、とてもジューシーです」
高齢であるアルフレッドの口にも合うんだ。とはいえ、今は贅沢も言えないし、これでも十分な食事。早く、もっと豪華にしたいなあ。
「スコル、アルフレッド、聞いてくれ。明日には、調理器具を作る」
「「おおっ!!」
二人とも感激していた。
さっき洞窟ダンジョンへ行って『鉄鉱石』の入手をした経緯を説明。二人とも「凄い!」と感心していた。
「兄上の活躍は素晴らしかった。あの聖騎士も処理に苦労する『エクスキューショナー』という高レベルモンスターを見事排除した」
「なんですと!?」
ガタッと椅子を立つアルフレッド。すっごく驚いていた。
「どうした、アルフレッド」
「いえ、あの……ラスティ様。エクスキューショナーは、聖騎士三人掛かりでようやく倒せる強敵ですぞ。それを倒されたのですか」
「……へ」
ちょ、マジィ!?
聖騎士三人分の強さだったのかよ、エクスキューショナー。道理で手が痺れたわけだ。てか、あの大剣を食らっていたら、俺、大ダメージだったんじゃん。おいおい、そんな敵と戦わせるなよ、妹よ!
倒せたから良かったけど!
良かったけども!!(涙)
「……あは、あはは……」
ハヴァマールは、笑って誤魔化す。
後でお仕置きだ。
「それにしても、家が豪華になったな」
見渡すと、内装も変わっていた。明らかに広くなり、天井も高くなっていた。
「ええ、ラスティさんが増築なされたのですよね」
「まあ、家のレベルアップしたよ。でも、全然確認してなくてさ。スコル、家はどうだった?」
「ええ、気づいたら三階建てになっていました! 廊下も長くなったような……」
どうやら部屋数も増えているようだ。物置部屋とかに出来そうだな。トイレの数も増え、風呂も大きくなった。もう貴族の屋敷に近いかも。
あと、煉瓦で強化されて自然災害耐性もアップしたようだ。
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