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3秒で何をするか――
タクトの手が強く光り、場の空気が変わった。彼の異能「警告」が発動した瞬間、周囲の空間が一瞬で静止する。ルシファーの「法律」の力が一時的に無効化される、たった3秒の間。
「3秒……」
タクトは自分の中でカウントを始める。冷静で、計算高い頭脳が働き、次に取るべき行動が鮮明に浮かび上がる。目の前の敵――ルシファーには、決して逃すわけにはいかない。
「3秒で決める。絶対に。」
タクトは一瞬で心を決めた。
「このチャンスを逃したら、二度とこんな隙間は現れない。」
ルシファーの異能が消えたことで、彼は無防備だ。だが、タクトの頭に浮かぶのは、ただの攻撃ではない。戦い方そのものを変える必要がある。彼が望むのは、確実な勝利だ。
タクトは心の中で一つの言葉をつぶやく。
「やるべきことは決まってる。」
その言葉を合図に、彼は動き出す。
タクトは一瞬のうちに距離を詰め、ルシファーの目の前に立った。
目の前に立つのは、世界を操る神――だが、今は人間と同じ。
「戦術ってのは、相手を圧倒することじゃない。隙間を見つけ、一気に突っ込むことだ。」
タクトはその言葉を心に刻み、空中で一瞬だけ足を止め、頭を使う。次の行動を決める時間はもうほとんどない。
彼は自らの異能「警告」の効果が切れる瞬間を計算に入れ、意識を集中させた。
ルシファーに攻撃を加えるのではない。タクトは、彼の強さを活かす方法を選んだ。
「これで終わらせる。」
タクトの手が一瞬で振り上げられ、空気を切り裂く音が響く。そこに集まるのは、ただの力ではない――
彼が放ったのは、物理的な攻撃ではない。
「警告:全ての制約が解除される。ルシファー、あなたは逃げられない。」
その言葉が響くと、タクトの手から放たれた光が、周囲の空間に力を与え、ルシファーの周りの「法」を一時的に無効化する力を高めていく。
ルシファーが驚愕の表情を浮かべる瞬間、タクトはまるで何かを解き放ったような表情を見せる。
「逃げられない……お前の『法』も、今は無力だ。」
タクトはほんの一瞬の間に、ルシファーの「法律」をかき消す方法を編み出していた。
そして、その瞬間、ルシファーの周囲に現れたのは、無数の手錠だった。