テラーノベル
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7
リハーサル後のスタジオはもうほとんど人が居なかった。
細部の確認を終えた後も吉田は帰る気になれず、鏡の前に突っ立っていた。
佐野💟「まだ帰らねぇの?」
聞き慣れた声に振り向くとそこには勇斗が居た。
吉田🧡「勇斗こそ。」
佐野💟「俺は仁人待ち〜。」
さらっと言われて俺は立ち尽くした。
吉田🧡「………え?」
佐野💟「だって一緒に帰りたいから」
さり気なく言うコイツの台詞に心臓が一気に五月蝿くなる。
吉田🧡「そういうこと、普通に言うの辞めてよ…。」
佐野💟「なんで?」
吉田🧡「……勘違いするから…。」
勇斗は一歩俺の方に近づいて俺の顔を覗き込んだ。
佐野💟「勘違いって、なにを?」
勇斗の距離が近い。
逃げようにも逃げられない…。
吉田🧡「それ…言わせんの?」
佐野💟「うん。お前の口から聞きたい。」
勇斗の真っ直ぐな目に見つめられて息が詰まる。
吉田🧡「勇斗が俺のこと、好きかも…って思っちゃうじゃん…。」
やっとの思いで言った瞬間、即時に返事が返ってきた。
佐野💟「好きだよ。」
吉田🧡「………は?」
佐野💟「だーかーら、俺仁人の事好きだよ。」
勇斗があまりにもあっさり言うので頭がフリーズする。
吉田🧡「え?ちょっと待って?」
佐野💟「待たない。」
勇斗はそのまま距離を詰める。
勇斗の手がそっと俺の手に触れた。
ビクッと反応すると、くすっと笑われる。
佐野💟「そんなびっくりするw?」
吉田🧡「だって…急すぎる。」
佐野💟「ずっと我慢してたんだけどな」
そのひと言で胸がまた高鳴る。
佐野💟「仁人が他の共演者と仲良さそうに話してると嫉妬するし。」
吉田🧡「なにそれ…w」
佐野💟「可愛いでしょ?」
冗談ぽく言うクセに目は本気だった。
吉田🧡「……ずるい」
佐野💟「うん、知ってる」
勇斗はどさくさに紛れて指を絡める。
逃げようと思えば逃げられるが、体が動かなかった。
佐野💟「で、どうする?」
佐野💟「俺と付き合う?」
心臓がはち切れそうなくらい高鳴る。
でも答えはもう決まっていた。
吉田🧡「断る理由とか…なくねぇ?」
そう言うと勇斗は一瞬だけ目を見開いてから嬉しそうに笑った。
佐野💟「良かった…。」
ぎゅっと手を握られる。
佐野💟「帰ろっか、俺の恋人の仁人。」
耳元で囁かれて顔が一気に熱くなる。
吉田🧡「その呼び方やめろ//。」
佐野💟「やーだ♡。」
マジかよ即答。
佐野💟「これからいっぱい呼ぶし!」
そんなことを言いながら勇斗に手を引かれスタジオを出る。
夜の空気は冷たかったが、勇斗と繋いだ手はずっと温かかった。
______続く♡
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