「バットなんて…持ったことないですけど…。なんだか…ワクワクします…。」
「でしょ? けっこうクセになるよ。」
昭和レトロな雰囲気漂う、諏訪(すわ)バッティングセンター。
晴人(はると)の提案でバッティングに挑戦することになった鶫は、
店名がグリップエンドに刻印された金属バットを、
ぎこちない動作で構えるのだった。
「足の位置は、肩幅よりやや広めにしてみて。
それから、握り方はタオルをしぼるみたいに…。」
「…こ、こうですか?」
「うん、いい感じ。あとは…アゴをちょっと引いて、目線の高さをキープしてみて。」
「アゴを引いて…め、目線をキープ…。」
「いいね。けっこうさまになってるじゃん。」
(ううぅ…すごく緊張するかも…)
バットを構えることに集中したいが、
至近距離で囁かれ、繊細な指が手に触れるだけで身体が強張ってしまう。
(諏訪さん…近すぎです…)
「ん**************************
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