吉祥寺から電車で8分の場所にある駅、
武蔵境に降り立った鶫(つぐみ)は、
家路を辿りながら、満天の星空を仰いでいた。
「星…きれいだなぁ…。
というか…星なんて…、久しぶりに…見た気がする…。」
俯き重い足取りで叔母宅に帰り、
父親が訪れていないことを確認し、
ようやく思い出したように呼吸する。
そんな息苦しい毎日が日常になっていたせいか、
東京の空がやけに眩く思えた。
「諏訪(すわ)さんの…おかげかな…?
なぜか、心がフワフワする…。」
愛読していた少女漫画に、
恋は落ちるものだと書かれていたが、
自分は落ちるどころか舞い上がっていた。
(これって…恋なの…?)
頬が火照り、じっとしていられないような、
不思議な感覚に襲われる。
なぜか叫びたい。
大きな声と共に自分の想いを、
夜空に放ちたいような気分になった――その時。
ピロリーン♪
携帯が鳴*****************************
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