テラーノベル
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🍬「みつけたっ☆」
🌟「今度こそ、逃がさない」
🎈「なっ…!?」
👤「…流石に、早すぎでしょ」
類の顔が青くなる
シルエットも、きっとシルエットじゃなければ、似たような表情をしただろう
🎈「くっ…」
杖を取り出し、司とえむに向かって構える
🎈「〜¿×※✖︎≪‥…」
呪文を唱えた
『炎型基礎攻撃魔法』
杖から放たれた真っ赤な炎は、2人の方へ真っ直ぐと突き進む
その瞬間
🌟「おっと」
司は自身の盾にするように
本体を体の前に突き出した
🎈「はぁっ!?」
急いで魔法の軌道を変えようと、杖を振る
🍬「戦闘中に急っちゃダメだよ、類くん」
👤「類っ!」
シルエットは類の前に立ち塞がり、えむの剣を真正面から受けた
🎈「師匠、なにしてっ」
🌟「よそ見している場合か?」
気がつくと真後ろには剣をこちらに向かって振り翳す司がいた
間一髪で避け、本体とシルエットを抱えて再び逃げようとするが、自身の体と寧々を実質2人抱えた重さで思うように動けない
👤「類、5秒…いや、3秒だけでいい。時間を稼いで。その隙に本体に戻るから」
目の前には、こちらを殺しにかかる昔馴染み
いや、もう。昔馴染みなんて呼べないかもしれない
2人は自分のことを昔馴染みなんて思っていない
彼らにとって自分は
ただの、『魔女』だった
🎈「わかりました。…絶対、死なせません」
それならば、
『昔馴染み』のまま、死んでやろうじゃないか
類は杖を投げ捨て、司もえむに抱きついた
🌟「…は?」
🍬「えっ」
今、類に戦う体力など残っていない
それでも、なんとか寧々が元に戻る時間を作るために
類に残された選択肢は
自爆だ
類は目にいっぱいの涙を溜めて、言った
🎈「たとえ敵でも、君たちが僕のことを嫌いでも
僕は君たちが、大好きだ」
類は目を閉じ、一つの呪文を唱えた
🎈「ーーーーー…」
寧々は目を見開き、叫んだ
🤖「×××××っ!!!」
🎈「…ん”」
類は身体中の痛みと、汗の不快感で目を覚まし
🎈「ここ…は」
辺りを見渡し、自分がベッドで寝ていたことに気づいた
🎈「家…」
🤖「え」
類が起きたことに驚いた寧々は、類に駆け寄り、涙を流した
🤖「起きた…!よかった、よかったぁ…」
隣で泣き崩れる寧々に困惑しながら、類は口を開く
🎈「司くんと、えむくんは…、僕は、自滅の呪文を」
🤖「バカ類っ!!!」
寧々は類の頬をきつくビンタした
頬には手形が残るほどに
🎈「い”っ!?」
🤖「確かに、時間を作れとは言ったけど、その時間のために死ぬバカが、どこにいるの!!」
🎈「それは…っ、師匠に、生きて欲しくて」
🤖「それでも!!…ほんと、バカじゃないの」
🎈「司くんと、えむくんは…」
🤖「類はきっと、殺さないでって、言ったよね」
寧々は類に微笑みかけた
🤖「だから殺さなかった」
🎈「ということは、逃げられたってことですか?」
🤖「睡眠魔法。…まさか、使い道があるなんて思わなかった。類を無理やり寝かす以外で、なんて」
類は研究に夢中になり、何徹もしてしまうため、無理やり寝かすためだけに使っていた魔法だ
🎈「でも、ここにまた来るんじゃ」
🤖「それなら、もう大丈夫」
🎈「え?」
🤖「あの子達、きっとそんなに悪い子じゃないから」
🌟「んん…」
🍬「うぅ〜ん…」
睡眠魔法をかけられた後、地元の猟師に2人は見つかり、もとの町に戻っていた
🌟「っは!?一週間だとおおおお!?」
2人は弱っていたからか、余計に魔法が効き、一週間寝たきりになっていた
🍬「そうみたいだよ…あの魔女さんの魔法で寝てたみたい」
えむにしては珍しく、凹んで元気がないようだった
だが、不思議なことに、戦闘で負った傷が全くないのだ
🌟「医者によると、ここに運ばれてきた時から傷などなかったと…」
🍬「もしかして…あの魔女さんが治してくれたのかなぁ」
「天馬さん、鳳さん、お目覚めになりましたか」
看護師が部屋に入ってくると、一枚の紙を2人に渡した
「お二人のポケットに、全く同じ内容のものが入っていたそうです」
では、といい、看護師は部屋を後にした
紙には、こう記されていた
『きっとあなた達は、魔女に辛い思いをさせたのだろうけど、類もわたしも、あなた達には危害を加えていない。人間と同じで、魔女にだって優しかったり、危険な魔女だっている。類は、あなた達を殺さないで欲しいって言った。だから殺さない。だから、あなた達もわたし達を殺さないでね』
当たり前の日常が戻った
あの日から、あの時の魔女狩りが訪れたことは一度もない
今日も寧々は、朝食をつくり、類に声をかける
眠たそうに部屋から出てくる類に、寧々は言った
🤖「おはよう、類
結婚しよっか」
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