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康二が調べてくれたハンバーガー屋は、いかにもアメリカっぽい雰囲気で、店内は聴いたことのないカントリーミュージックが流れていた。俺たちは店のおすすめとコーラを頼み、席についた。
本番のハンバーガーはサイズはもちろん味も格別で、二人で美味い、美味いとうなりながら一気に食べてしまった 。
(俺は現地コーディネーターさんが苦手というトマトまでいただいた。)
包み紙を綺麗に畳みながら、向かいに座る康二に視線を向ける。
康二はまだ残っているポテトをつまみながら、最後の1本まで思い出にするかのように、丁寧に口へ運んでいた。
「こーじ」
「ん?どした、さっくん?」
康二が顔を上げて、俺を見る。
「ターコイズ、買いにいかね?」
理由はわからない。
でも、なんとなく気恥ずかしい気持ちになって、俺は窓の外に広がる、アリゾナのどこまでも広がる青い空を見つめた。
「ターコイズ」
「うん。記念にさ。なるかなって。」
別に、深い意味なんてない。
たぶん。
ただ、一緒に選んで、一緒に身につけられるものがあったら、なんとなく嬉しいと思っただけだ。
康二はつまんでいた最後のポテトを口に放り込むと「ええやん。いこいこ。」と言って、にかっと笑った。
ターコイズの石言葉って、成功とか旅の安全とか勇気らしいで。
アクセサリーショップに向かいながら、そう康二が教えてくれた。
車の窓をほんの少し開けると、びょぉという乾いた風の音と熱い大地の熱が、車の中を少し侵食していく。
見上げた空は大きすぎて、何もかもを受け入れてしまうみたいだった。
俺たちがどこから来たのかも、どこへ行くのかも訊かずに、ただ青く、どこまでもひらいている。
雲は遠慮することなく浮かび、太陽は惜しみなく余所者の俺たちに熱い情熱を降りそそいでいた。
現地コーディネーターさんが案内してくれた店は、いかにも地元の人は通うような小さな店だった。
通りから少し奥まったところにあって、時間から取り残されたみたいに静かだった。
ガラスのショーケースのなかで、ターコイズの石だけが、ひとつひとつ違う蒼で息をしている。
それらは誰のものだったのか、どこから来たのか、店の人は何も訊かない。
ただそこに置かれて、ただそこに在ることを許されているみたいだった。
午後の光はゆっくりと窓から差し込み、埃の粒をやわらかく浮かび上がらせていた。
銀の細工は少しだけくすんでいて、それがかえって優しかった。
俺たちは各々、じっくりと商品を見定めた。
どの石もいい表情をしていて、一つひとつが思いを語りかけてくるようだった。
俺がなんとなく、これがいいなと思った品が目に入る。
胸元で無二の存在感を出せる、一際大きなネックレス。
俺はその青碧を見ながら、ふうと息をつき、もう一度だけ、これでいいのだと、誰にでもなく心の中で言った。
#宮舘涼太
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