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⚠️戦争賛美、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️史実ネタでもございません
⚠️すべて、私の妄想です。
⚠ATTENTION⚠
・BL
・ロシアメ
・病気パロ
・なんでも許せる方向け
露→ロシア
米→アメリカ
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
米「……ロシア、あれ、ちょっといいか」
会議資料の整理をしようとして、アメリカの手が止まった。
視線を右へ向けても、そこに“何もない”。
黒くも白くもない。
ただ、存在しないみたいに抜け落ちている。
米「……右、見えない。」
ロシアは一瞬で異変を察して、アメリカの肩を掴む。
露「いつからだ」
米「今。さっきまで……多分、普通だった。」
周囲――イギリスやフランスが気づいて声をかけてくる。
仏「ねぇ、本当に医療班を――」
米「大丈夫だ」
反射的に、アメリカが言ってしまった。
米「ロシアがいるし、すぐ報告してる。大丈夫、だから……」
その言葉に、周囲は言葉を失う。
“本人が拒んでいる”以上、これ以上踏み込めない。
ロシアは何も言わず、アメリカを自分の側へ引き寄せた。
医療室へ向かう廊下。
半分だけ見える世界は歪で、距離感が狂う。
ロシアの腕がなければ、まともに歩けない。
米『……ああ』
アメリカは、ふと理解してしまった。
米『俺、もう……普通の生活できないんだな』
銃声も、爆音も、痛みも、暑さも寒さも。
今まで当たり前だった”国としての感覚”が、次々に剥がれていく。
それを補ってくれるのはロシアだけで、
同時に”ロシアなしでは成り立たない” 自分になっていく。
昼食の時間。
ロシアがアメリカの前に食事を置く。
露「食べろ。栄養は必要だ。」
スプーンを口に運ぶ。
噛む。飲み込む。
……何も、分からない。
米「……ロシア。」
露「どうした?」
米「……味、しない。」
ロシアの動きが止まる。
露「……どのくらいだ」
米「……全部。甘いも、塩も……何も」
ロシアはすぐにメモを取り、誰よりも冷静に状況を整理し始める。
でもその指は、わずかに震えていた。
アメリカは、それを見て、逆に安心してしまう。
米『ああ……ちゃんと、俺のこと見てくれてる』
その安堵が、より一層自分を壊していることにも気づかずに。
夜。
アメリカは一人でいるのが怖くなっていた。
視界が欠け、音が曖昧で、味もない。
次は何が失われるのか分からない。
米「……ロシア、近くにいろよ。」
露「当たり前だ。」
ロシアはすぐ隣に座り、逃げ場のない距離にいる。
アメリカは膝を抱え、小さく笑った。
米「……なあ、俺さ。」
言葉が途切れる。
米『怖い』
でもそれを口に出したら、
本当に全部、壊れてしまう気がして。
アメリカは何も言えず、ただロシアの袖を掴んだ。
その手を、ロシアは強く握り返す。
露「俺がいる。失わせない。」
その言葉は――
希望なのか、呪いなのか、もう分からない。
続く…
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
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