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⚠️戦争賛美、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください。
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️史実ネタでもございません
⚠️すべて、私の妄想です。
⚠ATTENTION⚠
・BL
・ロシアメ
・病気パロ
・なんでも許せる方向け
露→ロシア
米→アメリカ
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
気づけば、アメリカの一日はロシアの判断で区切られるようになっていた。
起きる時間。
飲む薬。
会う相手。
外に出るかどうか。
露「今日はここまでだ。」
ロシアがそう言えば、それで終わる。
異を唱える理由も、気力も、アメリカにはもう残っていなかった。
視覚と味覚が消失した日からーーー
聴覚も更に曖昧になり、片目の視界は戻らない。
誰かが部屋に入ってきても、ロシアが紹介しない限り、アメリカには“存在していない”のと同じだった。
それでも、不思議と不安は少なかった。
ロシアが傍にいる。
それだけで、世界は成立してしまう。
英「……さすがに、これは異常です」
イギリスが、静かに言った。
フランスも、カナダも、アメリカの様子を見て表情を曇らせている。
英「医療班の常駐と、第三者の監督が必要です。 個人の判断に任せる段階は、とっくに過ぎているんですよ」
その言葉に、ロシアの空気が変わった。
露「必要ない。それ、前も言ってたよな?」
低く、即答。
仏「……ロシア、君は感情が――」
露「感情?」
ロシアは遮るように一歩前へ出る。
露「これは合理的判断だ。 原因不明、再現不可、前例もない。
ならば、最も近くで状態を把握している俺が管理するのが最善だ」
仏「それは”管理”じゃない、独占だ。」
その言葉が落ちた瞬間、空気が凍りついた。
アメリカは、ぼんやりとそのやり取りを聞いていた。
内容の半分も、正確には理解できていない。
ただ――
ロシアの声が、少しだけ荒れているのが分かった。
加「……兄さん」
カナダが、慎重に声をかける。
加「兄さんは、どうしたいの? 今の状況、苦しくない?」
一拍。
アメリカは、ゆっくり視線を上げた。
見えているのは、ぼやけた輪郭だけ。
けれど、ロシアがどこに立っているかは、分かる。
その位置に、自然と意識が引き寄せられる。
米「……大丈夫だ。」
声は、思ったよりもすんなり出た。
米「ロシアがいる。 ちゃんと、全部……見てくれてるから」
イギリスが目を見開く。
フランスが何か言いかけて、言葉を飲み込む。
米「俺、無理してねぇよ」
それは嘘じゃなかった。
少なくとも、アメリカ自身はそう思っている。
米「…だから……放っといてくれ」
沈黙。
周囲は何も言えなくなった。
本人が拒否している以上、それ以上踏み込む術はない。
ロシアは、その様子を一瞥すると、アメリカの肩に手を置いた。
露「分かったな」
それが、宣言であり、終わりだった。
部屋に戻る途中。
アメリカは、ロシアのコートの裾を掴んだ。
米「……怒ってるか?」
露「怒ってない」
即答。
露「ただ、邪魔が入っただけだ」
その言葉に、アメリカは少し安心してしまう。
米『嗚呼……やっぱり』
守られている。
選ばれている。
自分は、特別なんだ。
その感覚が、どれほど危ういものか――
もう考えないことにしていた。
ロシアは立ち止まり、アメリカを見下ろす。
露「お前は、何も心配しなくていい。」
その声は優しい。
けれど、逃げ道を塞ぐような確かさがあった。
露「俺が全部引き受ける」
アメリカは、ゆっくり頷く。
米「……ありがと」
その言葉を口にした瞬間、
世界に戻る選択肢が、静かに消えたことにも気づかずに。
続く…
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
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